政府は11月9日、低線量の放射線を長い期間浴びた場合の健康への影響を調べるため、有識者会議を開きました(※:11月9日付朝日新聞http://www.asahi.com/special/10005/TKY201111090539.html)。
低線量の放射線を長期間浴びた場合の発がんの危険性は、専門家の間でも評価が定まっていないため、政府が避難区域を設定する目安にしている年間20ミリシーベルト程度の被曝線量の影響などを中心に議論するとのことです。
確かに、国民の間には「放射線は少しでも浴びたら健康に悪い影響が出るのではないか」というイメージがあるようです。
特に、原発事故直後はマスコミなどが放射能の危険性をセンセーショナルに伝えたため、放射能に対して必要以上に心配する人もいます。
こうした心配に対して、札幌医科大学放射線防護学の高田教授が「福島は広島にもチェルノブイリにもならなかった」と題する論文を発表し、「福島の真実=健康被害が生じない低線量事象」を示し、アパグループ第4回「真の近現代史観」懸賞論文で最優秀藤誠志賞を受賞しました。
本論文では、低線量放射線に関する以外に、戦後の反核平和運動の嘘を証明するとともに、復興の道筋を示しています。以下にその要旨を示します。
・広島・長崎から65年を経過し、エネルギーと医療で、核放射線技術の先端を走る国が、今世界の笑いものになろうとしている。国民よ目を覚ませ、強い心で国難に対処せよ。福島では、放射線と放射能で誰も死んではいない。復興に向けて、放射線防護学に基づいた正しい対処をすべし。
・福島第一原発では巨大な地震マグニチュード9.0のS波が到達する前に、核分裂連鎖反応が自動停止したため、原子炉の暴走はなかった。そのため急性放射線障害となった職員はいなく、その原因での死亡もなかった。日本で暴走したのは、政治暴走した菅直人だけだ。素人判断で、福島県民を苦しめ、国民の不安を煽り、国内外の風評被害の原因となる話題を振り撒いた。その人的・経済的被害は甚大である。国を守る心ない“総理”が、地震被害の増幅器となった。全国の電力不足も、その影響のひとつである。
・4月上旬を皮切りに、6、7、8月と行った福島核事象の現地調査では、チェルノブイリ原子炉事故とは全く比べものにならない低線量で、しかも福島県民にさえ健康被害はないとの結論を早々に引き出している
・私は、年間20ミリシーベルトに達する福島県民はほとんどいないと考察している。筆者自ら行った調査時の個人線量計の積算値から推定する現地の30日間線量は、4~5月、6~7月で、それぞれ、20km圏内と周辺が1.0ミリシーベルト以下、会津~福島が0.10ミリシーベルト以下であった。以上から福島県民の平成23年の年間外部被曝線量は、10ミリシーベルト以下、多くは5ミリシーベルト以下と推定する。
・内部被曝については、筆者は、放射性ヨウ素による甲状腺線量と体内セシウムによる線量を現地で検査している。検査した68人の県民の甲状腺線量は8ミリシーベルト未満。8月までの乳児、幼児を含む52人の県民のセシウム検査では、ほとんどの内部被曝が0.1ミリシーベルト未満である。特に子どもたちのセシウム内曝は今のところ全員が0.1ミリシーベルト以下である。
・日本の放射線防護の科学力では、外曝と内曝のどちらも、正確に評価できるのだが、菅政権はその科学力を活用しなかった。これが一番の問題である。今後、筆者が実施している福島県民に対する科学的な放射線衛生調査を、国の責任で希望者に対して行うべきである。間違っても、県民をモルモット扱いしてはならない。
・特に20~30kmの農業や酪農を復興させるための科学プロジェクトを早急に立ち上げ、住民の個人線量が年間1ミリシーベルト以下になり、作物のセシウムが基準値以下となるように、表土の除染を国の責任でする。さもなければ、福島の農業は崩壊する。
・20km圏内に、表土除染センターを複数建設し、住民らに働いてもらう。その事業の結果、農業・酪農が再建することになる。
以上です。
一部のマスコミは、福島県ではもう人が住めないかのような報道をしています。
しかし、真実は違います。
放射能による「風評被害」は、実はマスコミによる「報道被害」と言えるものです。
マスコミはこうした事実をもっと報道すべきです。
政府も、こうした見地に立って福島県の復興を議論すべきです。