TPPの参加議論に対して、実態に基づかない誤解があるとして、11月4日付の日本経済新聞朝刊に「TPPをめぐる誤解と実態」と題して、わかりやすくまとめられていましたので以下に紹介します。
☆【誤解1】国内農業が壊滅し、現在40%の食料自給率が13%まで低下する
→【実態】TPP交渉参加国だけでなく、あらゆる地域からの輸入品の関税を撤廃するという前提で試算
☆【誤解2】米国産米の流入などで国産米の9割が海外産に起き換わる
→【実態】米国や豪州などのコメ生産量は日本国内の消費量のごく一部
☆【誤解3】コメ農家の支援のための戸別所得補償を約1兆6千億円積み増す必要が出てくる
→【実態】TPPに加わらない中国産やタイ産米の価格を前提に算出したもの
☆【誤解4】混合診療や株式会社による病院経営の解禁で公的医療保険制度が崩壊
→【実態】混合診療や株式会社の病院経営参入、公的医療保険制度は議論の対象外
☆【誤解5】外国人の専門家(医師や弁護士)が国内に大量流入
→【実態】免許の相互認証は議論されておらず、大量流入は考えにくい
☆【誤解6】単純労働者が日本に大量に流入し、国内の雇用が奪われる
→【実態】単純労働者の受け入れは議論の対象外
☆【誤解7】輸入食品の安全基準の緩和を求められる
→【実態】今のところ個別の安全基準の緩和は議論されていないが、今後議論になる可能性も
以上。
TPPについて私たち幸福実現党は、積極的に参加を図るべきと考えています。
特に不安の声が強い農業分野に関しては、先のこのブログでも述べましたが、「農業輸出大国」に飛躍する機会として考えています。
TPPの関税撤廃には10年の猶予がありますから、その間に激変を緩和する補償措置を行いつつ、農業の徹底的な構造転換を図るべきです。
「自由貿易」による「国際分業」の進展は、国際競争力の強い産業の輸出が促進されると共に、消費者にとっては輸入品を安く購入できるため、双方に「富」と「豊かさ」をもたらす互恵システムとなり得ます。
自国の産業で、生産性の向上が迫られるものについては構造改革を進めつつ、互いに国を開いていくことが望ましいと考えています。
やはり、富と繁栄の源泉は「自由」から生まれるのです。