◆ハイアール、1月本格参入、中国大手、日本市場「三洋」を継承(日本経済新聞 朝刊 2011/10/17)
◆蓄電池性能、大幅に向上、トヨタ、連続1000キロ走行、NEC、住宅用寿命20年(日本経済新聞 朝刊 2011/10/17)
◆水素分解酵素の構造解明=燃料電池開発へ応用期待―兵庫県立大(時事通信社 2011年10月17日(月)2時06分配信)
IBMが中国のレノボ社にパソコン事業(サーバー機を除く)を売却したのは7年前、今年になって三洋電機のパナソニック社による事業統合により白物家電がハイアール社に売却されることとなりました。
同社は時代を画する洗濯機を世に送り出し続け、洗濯機のアクアは固定的なファンも多いのです。
コモディティー化(普及品化)の環境下で生き残るのは並大抵なことではありません。
これから付加価値の高い製品をいかにして世に問うかが家電業界の生き残りに関わってきます。
供給者は消費者の力で動かされることを忘れてはなりません。
電気をどうやって蓄えるか?エジソンの発明以来多くの研究者が苦労に苦労を重ねてきました。
特に大電力の場合は揚水発電しかめぼしい技術は見当たりません。
今回の紀伊半島の水害では揚水発電のダムが、電力不足の背景もあって、事前の放水をためらいました。
これが災害を大きくしたのではないかと問題視されていますが、何とも皮肉な因果関係です。
フクシマに端を発して、日本もスマート・グリッド構想に焦点が当たるようになってきました。
要約すると、多様な電力と賢い家電を組み合わせることで最適な送電網を築くことがその狙いにあります。
鍵を握るのがリチウム・イオン電池などによる各戸の蓄電と見なされています。
オバマ大統領が推進したグリーン革命は経済における輸入石油の依存度を下げることが、その真の狙いでありましたが、頁岩(シェール)層から天然ガスを採取するイノベーションにより戦略は大きく見直される勢いにあります。
原油価格の高騰が頭打ちになっている背景もここにあります。
米国は発送電分離の歴史の中で送電網の整備を怠ってきたため、意外と停電が多いことはあまり報道されていません。
リチウム電池に必要な資源を巡る争奪戦は安全保障にも大きな影響を与えかねないが、日本のイノベーションにより壁が崩されつつあります。
兵庫県立大学が燃料電池を画期的に進化させる可能性を持った技術を開発しそうです。
神戸ではバイオマスガス(ごみから分離)を利用した燃料電池の実証実験をポートアイランドで10年ほど前に実施しています。
京阪神は電池に所縁のある地域でもあります。
燃料電池は実は水の電気分解を逆方向で行うものなので、厳密に言えば超小型発電機です。
参加した企業の1社である三菱重工業は潜水艦にリチウムイオン電池を搭載するようになりました。
日本はエネルギー分野で世界を変える力を秘めています。
後はもっと後押しをすればよいと考えます。