前回のこのブログで、対中国でロシアと戦略的な協力関係を築くべきであると述べましたが、今回はフィリピンとの関係について述べたいと思います。
去る9月27日、野田首相はフィリピンのアキノ大統領と首相官邸で会談し、両国は「戦略的パートナーシップ」へと関係を発展させ、海上の安全保障の分野での協力を強化することで合意しました。
日本と同様にフィリピンも自国周辺海域で中国との領土問題を抱えており、防衛面での両国間の対話強化や、フィリピンの沿岸警備隊に対する日本の海上自衛隊の支援強化などを進めるとしています。
大川隆法幸福実現党名誉総裁も、5月に行われた講演で「歴史的に見て、フィリピンは中国からの侵略という危機に直面しています。<中略>フィリピンはアメリカとの友好関係を維持することに失敗しました。まるで、日本における沖縄の普天間問題のようですが、彼らはフィリピンからアメリカ軍を追い出したのです。その後、中国がどんどん進出してきています。ですから、彼らは現在、もう一度日本やアメリカと手を結ばなければならないと考えています。」と、フィリピンの現状を指摘しています。
南シナ海をめぐっては、日本政府が11月の東アジア首脳会議で、海の安全保障を協議するための「東アジア海洋フォーラム」の設立を目指す方針を固めています。
中国の海軍拡張に対しては、同じ利害を共有するアジアの国々との防衛ネットワークを築くことが重要です。
そして、日本も、フィリピンが在比米軍を撤退に追いやった後に中国の南沙諸島への進出を招いたことを教訓にして、普天間基地の辺野古への移設を迅速に進め、米軍との協力関係を強化すべきです。
今回の野田首相の動きは評価できる面もありますが、事なかれ主義に堕すのではなく有言実行を求めたいと思います。