正しいルールに則って「教科用図書八重山採択地区協議会」が選定した育鵬社の中学校公民教科書を、沖縄県教育委員会が法的根拠のない「採択一本化に向けた協議の場」で一転不採択にした問題は、現時点でも未だ解決の目処が立っていません。
9月28日の参議院予算委員会において、自民党の世耕議員が、どちらの採択が法律上正しいのか文部科学省の姿勢を問いただしたところ、中川文部科学相は「両方の採択について、しっかりとしたコンセンサスができていないということで、更に県の教育委員会に対して、コンセンサスを作っていく努力をするように、ということで指導をしております」と答弁しました。
しかし、この答弁では、あいまいで無責任であるばかりか、現場の混乱にますます拍車がかかります。
どちらの採択が法律上有効かは明らかです。
しかも、「義務教育諸学校の教科用図書無償措置に関する法律」には、公立学校で使用される教科書は8月31日までに採択しなければならないと明記されています。
9月8日に沖縄県教育委員会が行った「採択一本化に向けた協議の場」はこの点からも無効です。
もしも、沖縄県教育委員会が行った「採択一本化に向けた協議の場」が有効であるならば、全国の教科書採択協議会の採択結果が、教育委員会の恣意でいくらでも覆せることになってしまいます。
中川文部科学相は、30日になって「コンセンサスができていない」としたことについて、「答申は規則に従ってなされたが、個別の教委が納得していない」という意味であると、答弁内容を事実上修正しました。
しかし、文部科学省は、ルールに則った「教科用図書八重山採択地区協議会」の採択結果を有効とするように、沖縄教育委員会を指導する様子はありません。
沖縄教育委員会は左翼の牙城である沖教組の意向が強く働いています。
従って今回の政府の姿勢には、「日教組のドン」である輿石民主党幹事長の意向が働いているのではないかと思わず勘ぐってしまいます。
日教組の意向によって民主主義のルールが歪められてしまうことのないように、文部科学省は強い姿勢で沖縄県教育委員会を指導すべきです。