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2011/10/02 【プーチン氏再登板は関係改善の好機】

9月24日、ロシアのプーチン首相が、ロシア大統領再任に向けて出馬すると表明しました。

一部でプーチン氏からの独立がささやかれていたメドベージェフ大統領ですが、プーチン氏に出馬を要請した形のため、ほぼプーチン氏の再登板が確実な情勢です。

プーチン氏はすでに2期8年間大統領を務めており、再登板すれば最長で2期12年間新たに務めることになるので、メドベージェフ政権時代も実質的に権力を握っていたことを考えると、合計で20年以上にわたる長期政権になる可能性が出てきました。

メドベージェフ大統領は、このところ対日強硬路線が目立っていましたが、プーチン氏が返り咲くことで、ロシアとの関係は改善に向かう可能性があります。

プーチン氏はメドベージェフ大統領よりも「力を信奉する」典型的なリアリストの政治家と見られています。

その点で、中国の軍拡には神経を尖らせており、いかに極東・太平洋地域で軍事バランスを保つかを考えているからです。確かに、ロシアにとってみれば、中国は日本や極東米軍以上に厄介な相手であり、最近のロシアの極東での軍備強化は、日本を口実に対中国を睨んだものとも考えられます。

米太平洋軍のウィラード司令官は9月27日の記者会見で、ロシア軍が日本に対する挑発行為を繰り返している問題について、「ロシア太平洋軍は1991年のソ連崩壊以降の軍事能力の著しい低下からの脱却を目指している」と述べるとともに、ロシア大統領にプーチン氏が復帰することを念頭に「ロシアが米国と日本にとって太平洋地域の建設的なパートナーとなるよう関係を強化する必要がある」とも指摘しました。

更に、大川隆法幸福実現党名誉総裁は、著書「日本を夢に国に」の中で「ロシアとはまだ平和条約を結んでいないので、まず、平和条約を結ぶことが大切でしょう。

シベリア、サハリンのほうには、原油や天然ガス等、いろいろな資源があります。日本は中東にエネルギーを頼りすぎていて、これが中国から海軍力で脅かされつつあるので、『ロシアとエネルギー系で結びつく』ということは、国防面においても、産業面においても、非常に重要なことなのです。」とロシアとの協力関係構築の重要性を指摘しています。

プーチン氏は親日家だというわけではなく、あくまでもロシアの国益を考えた上で判断をしているようですが、日本も日本の国益を考えた上で、対中戦略の中でロシアとの協力関係を築くべきです。