今日は日本の農業について少し考えてみたいと思います。
全国の30歳未満の農業従事者はほんの3.5%程度に過ぎませんず、全国的に農業の衰退は進んでいます。
2010年の農林水産省のデータによると、日本の農業従事者の平均年齢は64.6歳とのことです。
この数字は年々大きくなっており5年後には70歳にせまると思われます。更には兼業農家が7割以上を占めるようになっています。
日本の農業は、新規参入が規制されている上、農地の転用や売買も規制されています。
そして、民主党政権になってから、農業者個別所得補償制度を導入しています。
これらの政策は、農業の保護という名目で導入されましたが、実際は農業の発展を阻害している面があるのです。
例えば、日本の農業はほとんど法人化されていません。
法人化すれば、たくさんの農地を一挙に耕作することが可能になりコストを抑えられ、生産も安定します。
また、農家の高齢化や、埼玉県と同じ規模の面積がある休耕地の問題も解決します。
更には、品種改良や農業技術の研究など、個々の農家では対応が難しい分野への対応が可能になります。
法人化などで、生産性が高まると更なる市場を求めることも可能となります。
また、主党の農業者個別所得補償制度は、専業と兼業の区別なく農家を保護します。
その為、田畑を他人に貸していた人が、農業以外で収入があるにもかかわらず、形だけ農業をやって補償をもらおうと、土地を返せといっていることもあります。
この制度は、前向きに農業をやろうとしている人のやる気を失わせ、保護に慣れた農家を増長させる愚作です。
もちろん、先祖代々受け継いだ農地のことを思うと、近未来型の農業に踏み切れない気持ちもわかります。
しかし、このままでは日本の農業の衰退は免れません。農業は保護するよりも、規制を緩和して自由化したほうが発展します。
弱いから保護するのではなく、保護するから弱いのです。
よって、現在の日本の農業に必要なのは、規制の緩和です。
毎年、農業関連の政策に莫大な国費を投入しているにもかかわらず、食料自給率も向上していません。
選挙のために特定の人に耳障りのいいことをマニフェストなどに載せて票を集めることはやめにしなければなりません。