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2011/09/26 【あれれ?深刻な財政危機のハズが、外国人が日本国債を買い増す】

「深刻な財政危機のハズが、外国人が日本国債を買い増す」

深刻な財政危機に陥り、ユーロ圏の混乱の震源地ともいえるギリシャですが、10月半ばまでに追加融資を受けないと、デフォルトに陥る危険があるといわれており、その影響が世界経済に波及することが無いように各国が対応を急いでいます。

一方、大きな財政赤字を抱える日本では、政権交代以来、民主党をはじめ財務省が「日本も財政赤字削減の対応を急がないとギリシャのようになる」と盛んに喧伝してきました。しかし、このような主張が疑わしいことを感じさせる記事が9月22日付の日本経済新聞(※)に載りました。

記事では、「日本国債、外国人保有が過去最高水準に 円高の一因」と題して、「ギリシャなど欧州の財政不安が拡大、円資産がリスク回避マネーの受け皿になっている」「投資家が『安全資産』の円に資金を逃避させる動きも続いている」としています。しかも、8月に米国の格付け機関が日本国債を格下げしたところ、8月の買い越し額も過去最高になったらしいのです。

野田政権や財務省は「日本国債をこれ以上増やしたら、デフォルトに陥る危険性がある。だから国債発行は極力抑えて、復興財源も増税でまかなう」という論法ですが、外国人から見れば、「円は安全で、日本国債もきわめて安全だから、金利は低くとも買っておけば安心だ」と思われているということです。

ということは、安心して日本国債を増発すればいいのです。「安全資産」を世界中に買ってもらうことで世界が安心してもらえれば、世界経済も安定します。

野田首相は、復興財源について「将来世代に負担を先送りしない」と述べ、復興増税に強い意欲を示しています。しかし、実は「子孫にツケを残さない」ためにこそ、このデフレ不況の中で増税をしてはいけないのです。増税により経済が回復したためしがないことを、過去の日本の増税でも証明されています。不況に加え震災の打撃を受けている中で増税を行えば、日本経済は完全に沈没します。「衰退して、貧しい日本経済」を子や孫達に渡すことこそ、最大のツケを回すことになるのです。

復興財源は、「増税」ではなく、復興国債を発行し、日銀に直接引き受けさせるべきです。デフレギャップが20兆円程度ある日本では、その程度の国債の増発を行ってもインフレの心配はありません。国債の日銀引き受けを行えば、財源確保とデフレ脱却が同時になされ、経済成長率も相当程度高めることができるのです。