【イラン、核施設近くで米無人機撃墜と発表 米高官は否定】2011年7月21日 CNN
イランの国営プレスTVは20日、同国中部コム州にあるウラン濃縮施設近くで米国の無人偵察機が撃墜されたと報じた。日時には触れていない。
この報道に対し米政府高官3人は、無人機がイラン内で撃墜されたとの情報や形跡はないと否定的な見方を示した。
プレスTVの報道は、イランのサイト「javanonline.ir.」の記事に依拠したもので、同国の国会議員の証言としてイラン指導部の親衛隊的性格を持つ革命防衛隊が無人機を撃墜したとも伝えた。
この議員は国会の安保・外交委員会に属し、無人機は米中央情報局(CIA)のため濃縮施設の位置特定や他の情報収集のため飛行していたと主張している。
イランは自国の核開発計画をめぐり欧米と厳しく対立し、国連の経済制裁も受けている。
この中でイラン政府は今月19日、核関連施設にウラン濃縮に必要な新型の遠心分離器を導入したと発表している。
フランス外務省はこれを受け、イランの核開発に絡む国連決議に違反する新たな挑発行為と非難していた。
欧米はイランの核開発で軍事転用を危ぐしているが、同国は核の平和利用を追求出来る権利があると反論。
国際原子力機関(IAEA)は、同国の核開発があくまで民生利用に限られるのかの証明は出来ないとの見方も示している。
引用、以上。
この報道だけでは、事件の真相や詳細を把握することはできません。
アメリカの中東戦略は「イスラエル防衛」を中核としています。
この戦略的な目標から「仮想敵国」が想定されています。最も重要視されているのがイランです。
イランは1979年のイラン革命以来、アメリカとの対立を深めており、現在も核保有問題で対立しています。
アメリカは、イスラエル防衛のために経済的・軍事的に援助をするとともに、中東を取り扱う統合部隊である緊急展開部隊(後に中央軍に改編)を組織しました。
1991年の湾岸戦争以降、アフガニスタン戦争・イラク戦争を通じて中東を管轄する中央軍の存在感は増しています。
これらの部隊も戦略的にイスラエルの安全を保証するために展開されているものです。
しかし、これらの戦略がアフガニスタン戦争・イラク戦争を通じて大規模な戦費の拠出を招き、財政赤字を拡大させる結果となりました。
今後は、いかに財政的支出を抑えながら戦略目標を達成するのかという課題に主眼が置かれることでしょう。