【北朝鮮の小型核、電磁パルス兵器用か?元CIA専門家が「ロシアから技術流出」】2011年6月25日 産経より
北朝鮮が、核爆発による強力電磁波で通信や兵器運用コンピューター網を破壊する電磁パルス(EMP)爆弾の開発に成功した可能性が浮上してきた。
米中央情報局(CIA)で核問題の専門家として勤務したピーター・フライ氏が24日、米ラジオ「ボイス・オブ・アメリカ」に明らかにした。
フライ氏は「EMP爆弾の開発者であるロシア科学者が、北朝鮮に設計情報が流出したことを明言した」と述べた上で、ロシア科学者は2004年の時点で「北朝鮮は数年以内に強力なEMP爆弾の開発に成功するだろうと予測していた」と指摘。
北朝鮮が実施した06年の1回目の核実験で、爆破の出力が1~3キロトンと低かったことから「失敗」とみられていることについて、「爆発威力が低いことが強力EMP爆弾の特徴だ」と北朝鮮がEMP爆弾を保有している可能性を強調した。
EMPは核爆発時のガンマ線が高層の大気と反応して発生する電磁波を利用して広範囲に電子撹乱を引き起こす兵器。
日本海上空で使用すれば韓国全域の米韓軍の戦闘力を損なわせることができるという。
北朝鮮は昨年、核兵器の小型・軽量化と搭載ミサイルの開発に成功したとCIAの元関係者に対し言明しており、北朝鮮の小型核がEMP用だった可能性も浮上してきた。
引用、以上。
近年、米国が直面している軍事上の脅威の一つとして「非対称性」という言葉が使われています。
これは米国が得意とする戦争方法(空母戦闘群を投入しての大規模な戦闘など)を行わせず、米国の苦手とするところを敵がついてくることです(例としては、911テロ、イラク・アフガンでのテロ、ゲリラ攻撃など)。
北朝鮮の電磁パルス開発も米国の弱点を突いてくる「非対称戦」の一環です。
「電磁パルス(EMP)爆弾」とは、高高度(高層大気圏)で核爆発を行うことで、強烈な電磁波を発生させ、コンピュータをはじめとする電子機器を破壊する爆弾のことです。
北朝鮮が米国やその同盟国に対して核兵器を使用する場合は、単純に地上目標に落とすだけでなく、電磁パルスによる精密機器の破壊を行い、国家全体へのダメージを狙うことが予想されます。
電磁パルスによる攻撃はこれまでの歴史上まだ例はありませんが、1977年に電磁パルスが原因で起こったニューヨーク大停電は26時間電力供給がストップし、2000億円近くの損失が出ました。
米国、日本も精密機器に依存した先進国であり、電磁パルス攻撃により、国家機能、防衛機能が完全にマヒする恐れがあり、電磁パルス兵器の脅威にも備えるべきです。
そのためには、核抑止力の強化と同時に、広範囲なMD:ミサイル防衛(高高度ミサイルの迎撃など)を積極的に進めるべきです。