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2011/06/26 【孫社長の菅首相支持の怪!ソフトバンク――自然エネ事業の定款追加】

以下の記事は、ソフトバンクの携帯電話を使ってきた私にとって、以上に興味深かった内容です。
孫社長が、菅首相を支持した報道がなされましたが、その理由が明らかになっていたからです。
誤解のないように、再度申し上げますが、私は、ソフトバンク携帯のファンです。

【ソフトバンク野望――自然エネ事業の定款追加】2011年6月25日 産経より

ソフトバンクは24日の定時株主総会で、自然エネルギーによる発電などの電力事業を新たに同社の定款に加えることを決めた。

数カ月以内に太陽光発電を手がける子会社を設立する。

事業の成否は菅政権が目指す電力買い取り制度の実現にかかっているが、政局は混迷を深めるばかり。

「脱原発」を鮮明にする孫正義社長の“野望”の前には多くの課題が山積している。

「これで自然エネルギーに入れます。人々の幸せのためにがんばりたい」孫社長は24日、定款変更議案が賛成多数で承認されると笑みを浮かべた。

孫社長は東日本大震災後、34道府県の自治体を巻き込み自然エネルギー普及のための協議会を設立するなど脱原発の方向性を打ち出してきた。

ただ、「株主の同意がないとソフトバンクでは事業ができない」(孫社長)ため、総会でわき上がった拍手に安堵したようだ。

新子会社は自治体から土地の提供を受け、全国に20万キロワット級の太陽光発電所を建設。

孫社長は「自然エネルギーは今後のスマートグリッド(次世代送電網)などに生きてくる。通信と相乗効果が出るだろう」と参入の意義を強調した。

もっとも、自然エネルギーによる発電事業は、全量買い取り制度などを盛り込んだ再生エネルギー特別措置法案が成立しないと採算を見込めそうにない。

菅直人首相が固執する同法案の行方は政局に左右される。

孫社長は「誰が首相だろうと関係ない。(国会議員には)審議しろ、国民のためだけを思って法律を考えろというのが私の思いだ」と語ったが、先行きを危ぶむ声は少なくない。

同社は5年前、英携帯電話大手ボーダフォンの日本法人を買収。有利子負債は買収時から半減しているが、平成22年度時点でまだ1兆2千億円も残る。

それだけにこの日の総会でも、株主から「買収時の負債が減ってきたのに資金繰りが心配だ」とする意見が出た。

ソフトバンクの株価は電力事業参入を決めた5月下旬以降下落し、3千円台で始まったこの日も一時2960円まで下落した。

「日本の電力問題解決のためのきっかけ作りとしたい」と語る孫社長に対し、市場は厳しい目を向けている。

【クリーンエネルギーの不都合な真実(抜粋)】フォーリン・アフェアーズ 2011年6月号より

近年、劇的な成長を遂げてきクリーンエネルギー産業も、いまや危機に直面している。

欧米諸国の多くでは、政府の補助金をバックにクリーンエネルギー産業はこれまで25%の成長を遂げてきた。

だが、これ以上、補助金を出し続けるのはもはや政治的に不可能になりつつある。

世界的にみて、2010年にはクリーンエネルギー産業への投資はこれまでにないレベルに達したが、その5分の1は政府の景気刺激策によるものだった。

これがグリーンエネルギーに関するバッドニュースの到来を先送りしたにすぎない。

いまや主要なクリーンエネルギー機器メーカーの市場価値は急降下しており、今後、政府の補助金が打ち切られれば、その株価はさらに低下していくと考えられる。

住宅用のソーラーパネル、すでに石油と競い合えるレベルにあるブラジルのサトウキビから作られるバイオ燃料などは、今後も利益をだせるだろう。

だが、全般的にみると、クリーンエネルギー産業の先行きは憂鬱と言わざるを得ない。

引用、以上。

ソフトバンクは株主総会で、通信企業であるソフトバンクの業務に「自然エネルギーによる発電」などの電力事業を加えました。

孫正義氏は大規模太陽光発電所(メガソーラー)を全国に10か所建設する計画を検討していますが、この事業は菅首相が成立に意欲を見せている「再生エネルギー特別措置法案」成立を前提としており、成立しない場合は、事業として成立するかは極めて不透明です。

法案が成立すれば、ソフトバンクは大儲けしますが、その分、増税になったり、買い取る側の電気会社が負担になり、電気料金の値上げとなり、国民の生活や企業の経費にしわ寄せが来ます。

孫正義氏の社長秘書室長は元民主党議員で、民主党との繋がりが深く、菅首相を支持する見返りに、「再生エネルギー」という巨大利権が動いています。

菅直人氏は「巨大利権」が絡む「再生エネルギー特別措置法案」成立に政治生命を懸けていると言われています。

孫正義氏を「自然エネルギー担当相」として入閣させる案も報じられていますが、「脱原発」の迷走もはなはだしいと言えます。

世界を見れば、参考記事にある通り、欧米各国で進められてきたクリーンエネルギー産業は、今、斜陽に向かいつつあります。

菅首相の「再生エネルギー特別措置法案」にしても、ソフトバンクの太陽電力事業進出にしても、欧米におけるクリーンエネルギー産業の現状を全く見ていません。

それは、クリーンエネルギー産業自体が景気刺激を目論んだ政府の補助金によって下支えされ、財政悪化に伴って政府が補助金を出せなくなり、クリーンエネルギー産業の業績が傾いてきた経緯があるからです。

クリーンエネルギー重視に向かう日本とドイツは国力が低下し、先進国から脱落することは避けられない状況です。

菅直人氏は「脱原発」という市民運動家としての自己実現と「再生エネルギー」というソフトバンクの巨大利権のために、国民の生活と日本経済が犠牲になろうとしているようにもみえます。