【米軍駐留延長の是非協議―イラク各派】2011年6月21日 産経より
イラクの政治勢力各派は20日、首都バグダッドのタラバニ大統領の邸宅で、今年末に予定される駐留米軍の全面撤退期限の延長を米側に要請するかどうかについて、初の公式協議を行った。地元メディアが伝えた。
この日では明確な結論は出ず、協議を継続することで一致したという。
協議にはイスラム教シーア派、スンニ派、クルド人の各勢力の代表者が参加。
シーア派反米指導者サドル師派を除いて多くの勢力はこれまで、非公式な場では駐留延長を容認する姿勢を示している。
米側は撤退準備が迫っているため、イラク側に早急な結論を出すよう要請している。
引用、以上。
アルカイダのリーダーであるビン・ラディンが殺害されたことで、イラク・アフガニスタンから駐留している米軍の撤退が徐々に現実味を帯びてきました。
今後の米軍撤退とイラク・アフガニスタンの安定化が成功するには2ヵ国で受けている脅威が互いに異なるものであることを理解し、それに米国が対処できるか否かに掛かっています。
イラクで受けている脅威(自爆テロや武装勢力の襲撃)はシーア派過激組織からであり、背後にはシーア派大国イランの影響があります。
今後は中東地域の勢力均衡を維持するためにもイラクで駐留している米軍は数を減らしながらも、米軍駐留が継続すると予測されます。
アフガニスタンではアルカイダとタリバンを分断し、タリバンと協力関係を築くことを目指しています。
もともと、アルカイダとタリバンは本質的に相いれない存在です。
アルカイダは反国家的なテロ活動の推進を目指すのに対し、タリバンは政教一致の神権国家樹立が目標です。
アフガニスタンを不安定化させないためにも、米国はタリバンと手を組むことでアルカイダ根絶を目指していくことになります。
今後も米国のイラク・アフガニスタン政策に注意していく必要があります。