【仏露、強襲揚陸艦の売買契約締結へ】産経 2011年6月17日より
国営ロシア通信によると、ロシアとフランスは17日、仏製ミストラル級強襲揚陸艦の売買契約に署名する。
ロシアが北大西洋条約機構(NATO)加盟国から大型兵器を購入するのはソ連崩壊後、初めてとされ、これを機に遅れが目立つ軍事技術の近代化に弾みをつけたい考えだ。
一方、売却には米国のほか日本やバルト諸国などが懸念を示してきた経緯があり、欧州連合(EU)域内の親露派と目されるフランスの姿勢を改めて示すものといえる。
サルコジ仏大統領は先月26日、ドービルの主要国(G8)首脳会議の場で行った仏露首脳会談の後、ロシアへの強襲揚陸艦売却交渉は合意に達したと表明。
「冷戦ははるかな過去のもので、ロシアは友人とみなすべきだ」と述べ、関係各国の懸念を退けた。
仏露は最初の2隻をフランス側で、さらに2隻をロシア側で建造する。
価格は1隻当たり約6億ユーロ(約680億円)で、2013年後半にも1隻目がロシアに引き渡される見通しだ。
ミストラル級強襲揚陸艦は最大でヘリコプター16機、兵員900人の輸送能力がある。
ロシアの兵器製造技術の老朽化は08年のグルジア紛争以降、たびたび指摘されてきた。自前の建造技術では使用に耐えないとし、フランスからの獲得を目指してきた。
同艦は災害時の人道支援にも使える多目的仕様だが、ロシア海軍幹部は今年1月、極東ウラジオストクに司令部がある太平洋艦隊に配備し軍備増強する意向を表明。
軍事面から北方領土の主権固定化を目指す動きとして注目された。
日本外交筋は「売却に対する日本政府の懸念は仏側に伝えてきた」と話していた。
ただ、契約締結は形式に過ぎず、仏露の攻防は水面下で続くとの見方が有力だ。
露コメルサント紙は先月、軍事技術のライセンスと説明書の供与が交渉の焦点で、技術移転がどの程度なされるかも不明だとする記事を掲載した。
ロシアの軍事評論家は「互いの兵器の適合性も不明だし、こちらの手の内がNATO側に知られる危険も高まる」とし、購入に否定的な見方を示している。
引用、以上。
日本は島嶼防衛において南シナ海、尖閣諸島への中国軍侵攻だけでなく、北方ではロシアが着実に軍事力を蓄え始めています。
「ミストラル級強襲揚陸艦」とは、単艦でも強襲揚陸作戦を実施できるだけのヘリコプターの保有と運用、地上戦闘用車輌の輸送、揚陸艇の保有と運用、陸戦部隊の輸送、医療といった複合的な機能を有しています。
ヘリコプターを使用した迅速な揚陸作戦(上陸作戦)を単艦で実行できるだけの力を有しており、ロシアが渇望していました。
フランスからのミストラル級強襲揚陸艦の導入はロシア軍のパワーを拡大させ、北海道を中心に、日本の安全保障にとって大きな脅威となります。
外交上でも中国とロシアは日本に一致団結して強硬姿勢を示しており、この二か国を同時に相手にすることは大きなリスクとなります。
今後も無能な民主党政権が続いた場合は、中国、ロシアのどちらかが日本に戦略的譲歩(領土の切り取りなど)を迫ってくる危険も出てきます。
日本は早急に国防強化に手を打たなければ、中ロからの挟撃圧力に迫られることとなります。