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2011/06/14 【よ~く考えよう!この背景-ベトナムが南シナ海で実弾演習―2週連続の反中デモも】

【ベトナムが南シナ海で実弾演習―2週連続の反中デモも】2011年6月13日 産経より

ベトナム海軍は13日、中部クアンナム省沖合の南シナ海で実弾を使った演習を行った。関係筋が明らかにした。

同国は「毎年行う通常の訓練」(外務省報道官)と強調しているが、同海でベトナムの石油探査船への妨害活動などを続ける中国を牽制する狙いがあるとみられ、両国間の緊張がさらに高まりそうだ。

一方、ベトナムの首都ハノイと南部ホーチミンでは12日、市民らが5日に続き2週連続で中国への抗議デモを実施。

共産党独裁体制のベトナムではデモは封殺するのが通例だが、中国の挑発的な動きが相次ぐ中、厳重な管理下で反中デモを容認している形だ。

海軍の演習は中部ダナンの南東数十キロの海域で実施。

米国は「武力の誇示は緊張を高めるだけだ」として、演習に懸念を表明していた。

引用、以上。

中国海軍が西太平洋にプレゼンスを示していることに対し、日本は「何も抗議しない」という愚策を重ねていますが、ベトナムは毅然たる姿勢を示しています。

「抑止力」の原則としては、国際政治において、侵略者を抑止するためには、侵略に対しては常に武力で反撃する覚悟と能力を誇示する必要があります。

弱腰外交、安易な融和外交は事態をさらに悪化させるだけです。

歴史上、事態を悪化させた例としては、第二次大戦前のナチス・ドイツに対し、英仏が過剰なまでの宥和姿勢を打ち出したことです。

大戦前、ナチス・ドイツはヴェルサイユ条約で制限されていた再軍備の開始とアルザス・ロレーヌ地域(フランスと帰属をめぐって争われていた土地)の併合、チェコのズデーテン地方に軍隊を派遣しての併合を進めました。

この一連の動きに英仏は何も効果的な手段を講じませんでした。

英仏の首脳陣はヴェルサイユ条約がドイツにとって懲罰的すぎたことに引け目を感じていましたが、宥和姿勢を打ち出す元になったのは過剰なまでの戦争への忌避でした。

この戦争への忌避が敵の狙いを正しく把握するのを妨げ、フランスは大戦終盤にわたるまでナチス・ドイツの属国という屈辱的な立場に置かれました。

この英仏の対場は現代の日本にも当てはまるものであり、今後日本が相手の武力には武力で押し返すという外交、抑止戦略の基本が取れなければ、現実問題として「中国の属国」となる可能性が強くなります。