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2011/06/14 【露外務省、米巡洋艦の黒海侵入に懸念を表明】

【露外務省、米巡洋艦の黒海侵入に懸念を表明】2011年6月12日 ロシアの声より

ロシア外務省は、ウクライナと米国の演習「シー・ブリーズ2011」に参加するために、米海軍の巡洋艦「モントレー」号が、黒海に進入したことに懸念を表した。「モントレー」号は、イージスシステムを搭載している。

外務省のコメントでは、米国の戦略基盤の構成要素が、ロシアの国境から至近距離に現れたことを無視することは出来ず、同様の行動は、自国の安全保障への脅威として受け止めると指摘されている。

外務省によると、このような行動は、露米の両大統領が合意したような、欧州の将来における対ミサイル防衛(MD)システムのコンセプトを共同で構築していくという方向性を阻害するものだとされている。

引用、以上。

ロシアは近年、ウクライナやベラルーシなどの旧ソ連衛星諸国を自国の勢力圏と見なした行動を取ることが多くなってきています。

ロシアにとっては旧ソ連の崩壊は自国に侵略してくる敵への緩衝地帯を失くしたことと同じ意味です。

ソ連崩壊後の経済破綻から立ち直ったロシアは、こうした緩衝国への影響力を再び回復させようとしています。

ロシアがこうした行動に出るのは言うまでもなく、EU・NATOの東方拡大によって米国の影響力が東欧、中欧で増したことにあります。

現在米国が進める欧州MDはチェコ、ポーランド、ブルガリアなどにレーダー基地、発射施設を設置する計画であり、黒海周辺にもMDシステムを搭載したイージス艦の配備を目指しています。

ロシア側からすると自領土の周りを米国のMDに囲まれることになります。

今後、ロシアとしてはMDに包囲されることを避けるために様々な形で欧米と外交上の衝突が頻発するものと考えられます。