【次世代迎撃ミサイル輸出で日本側が基準を提示―日米防衛相会談】2011年6月4日 産経より
北沢俊美防衛相は3日、訪問先のシンガポールでゲーツ米国防長官と会談した。
北沢氏は、日米がミサイル防衛(MD)で共同開発している次世代の海上配備型迎撃ミサイル(SM3ブロック2A)について、米国から第三国への輸出を認める際の基準を提示、条件付きで第三国輸出を容認する方針を示した。
基準は(1)日本の安全保障や国際社会の平和と安定に資する(2)第三国に、さらなる移転を防ぐための十分な政策がある―の2点。
北沢氏は次回の日米安全保障協議委員会(2プラス2)での正式合意へ向け、政府内で調整していると説明した。
ゲーツ氏は、日本側が提示した基準は「第三国への移転過程において重要な役割を果たす」と評価した。
沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題では、現行の移設計画が「運用上最も実現可能で、政治的に持続可能な方途だ」とし、2プラス2までに、滑走路の配置などを決定できるよう努力していくことも確認した。
ゲーツ氏はとくに、レビン上院軍事委員長らが普天間飛行場への移設を見直し、嘉手納基地への統合を提案していることに言及。「これは米政府の考え方を代表したものではなく、政府のこれまでの立場に何ら変更はない」と強調した。
引用、以上。
記事に出てくる「海上配備型迎撃ミサイル」とは、イージス艦等に搭載される弾道ミサイル防衛専用のスタンダードミサイルのことです。
日米両国政府が合意に達する予定の海上配備型迎撃ミサイル(SM3ブロック2A)の供与は、日本の「武器輸出三原則」が縛りとなって輸出に大きな障害となっていました。
なぜ、輸出三原則に抵触する恐れがあったのかは、日米共同で開発し、ミサイルに日本の技術が利用されているためです。
しかし、三原則を盾に「輸出拒否」を行なえば、米国だけでなく、MD配備を進めている欧州からも大きな非難が起こることが予測されました。
現代の軍事兵器は一国だけ、自主開発で配備されているものは少数です。
例えば、JSF(F-35戦闘機)計画は米国・英国だけでなく、オランダやシンガポール、意外なところとしてはトルコも開発に関わっています。
共同開発に関わることで一番の利点は開発コストを減らせるだけでなく、正規価格よりも安く購入もできることです。
今後の世界の流れからしても、兵器開発は多国間共同プロジェクトが主流となるでしょう。
日米同盟を円滑に機能させるためにも、さらなる武器輸出、共同開発の活発化、武器輸出三原則の撤廃と憲法9条の適用除外の実施が求められます。