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2011/05/11 【建屋屋上に発電機設置 浜岡原発の緊急安全対策】

【建屋屋上に発電機設置 浜岡原発の緊急安全対策】2011年4月21日 中日より

中部電力は20日、福島第一原発の事故を踏まえた浜岡原発(御前崎市)の緊急安全対策を経済産業省原子力安全・保安院に報告した。

この中で、外部電源が喪失し、さらに原子炉建屋内の非常用ディーゼル発電機が作動しない事態に備えた新たな対策として、各号機の原子炉建屋2階屋上にもディーゼル発電機を19日までに設置。

いずれも海面から14.5~30.5メートルの高さにあり、津波を受けにくい場所を選んだ。非常時に原子炉へ注水するための電源となる。

中電は東日本大震災後、敷地内に配備した発電機車2台で対応する方針を打ち出していたが、即応性を高めるため、各号機に常設する方式に改めた。

敷地奥側の高台にも1年後をめどに、ガスタービン発電機を3~5号機に1台ずつ配備。タイプの異なる非常用発電機を置くことで故障や不具合のリスクを分散させる。

このほか、原子炉への注水や、原子炉格納容器の圧力を下げるために蒸気を放出する「ベント」などの具体的な対応手順を手引書としてまとめた。

中電によると、敷地海側に設置する防波壁など今後実施予定の対策も含めると、費用は300億円程度となる見通し。

中電からの報告を受け、保安院は21、22の両日、浜岡原発に立ち入り検査する。

資機材の配備状況や対応手順などを確認し、月内をめどに対策の妥当性を判断する。

中電は定期検査中の3号機の早期運転再開を目指しており、保安院の審査が第一のハードルとなる。

引用、以上。

菅首相が中部電力に浜岡原発の停止要請を出す前の中日新聞の記事ですが、中部電力は、福島第一原発の事故を踏まえ、浜岡原発の津波対策をしっかり行っていることが分かります。

浜岡原発が危険だといわれたのは、東海地震の震源の真上にあって、原子炉が地震で破壊される(あるいは制御できなくなって暴走する)のではないかということでしたが、これについては東海地震で想定されているよりはるかに大きな東日本大震災で、福島第一をはじめとする原子炉は全て無事に止まっています。

浜岡原発も国の安全審査では、東海地震に耐えられる設計になっており、耐震強度は東日本大震災のレベルもクリアしています。

幸福実現党が震災直後から主張しているように、問題は「原発の耐震危険性」ではなく、「津波対策」なのです。

「津波対策」としては、記事にありますように、予備電源と給水ポンプを原子炉建屋の2階屋上(海抜15~30m)に移設する工事がすでに行なわれており、防潮堤を造るために2年間も運転を止めて4000億円以上の損害を中電に強要するのは実質、意味がありません。

福島第一原発事故の原因は予備電源を浸水しやすいタービン建屋の中に置いたという単純な設計ミスでしたが、福島第一原発も原子炉建屋の屋上に移設しておけば冷温停止されていたはずです。

仮に予備電源がすべて地震で破壊されたとしても、浜岡の原子炉は東芝/日立製なので、予備の電源車が使える(構内にも電源車がある)ため、原子炉(GE製)の電圧が440Vで、電源車と合わなかった福島第一原発とは全く異なります。

要するに「浜岡原発が危険だ」というのは精神的なアレルギーに過ぎず、菅首相が出した「浜岡原発停止要請」は意味が無い、人気取りのパフォーマンスに過ぎません。

浜岡原発停止によって中電管内も電力不足になり、夏場には東電への融通もできなくなります。

ピーク時で5500万kWの電力需要に対し、5200万kWしかない東電管内の電力がますます足りなくなり、無理して動かした古い火力発電所が壊れると、首都圏全域で大停電にもなりかねません。

特に懸念すべき問題は、このようなエネルギー不足と電気料金の値上げによって製造業が日本から出て行くことです。

スズキの鈴木修社長は今回の「要請」を評価していますが、経済界は表立って批判すると「人命より経済を優先するのか」と叩かれるので、空気を読んで黙っているだけです。