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2011/03/06 【米仏が軍用機やチャーター機でリビア避難民帰国を支援】

【米仏、軍用機やチャーター機でリビア避難民帰国を支援】2011年3月4 CNNより

政府側と反体制派の衝突が続くリビアを逃れた大量の避難民が隣国のチュニジアとエジプトに押し寄せている問題で、米仏が3日、軍用機やチャーター機を手配して避難民を移送することを決めた。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、チュニジアとエジプトにはこれまでに外国人労働者を中心に計18万人近く(チュニジア側に約9万5000人、エジプト側に約8万3000人)の避難民が押し寄せている。UNHCRが3日、各国政府に対し避難民の移送支援を緊急要請していた。

こうした要請を受けオバマ米大統領は、リビアからチュニジア側に避難したエジプト国民をエジプトに帰還させるために米軍機を使用することを許可したと会見で明らかにした。

他国出身者の帰国を支援するために米国際開発庁がチャーター機を追加使用することも許可したという。

また、リビア国境から約90キロに位置するチュニジア・ジェルバの空港幹部によると、フランスがジェルバ―エジプト・カイロ間にチャーター機を1日6回、5日間にわたり飛ばす計画だという。

避難民には、仕事を求めてリビアに渡ったさまざまな国の出身者が含まれているが、その大半を占めるのはエジプト人。

引用、以上。

今回の避難民の移送措置は、リビア動乱によって発生した難民がチュニジアとエジプトの国境線上に殺到していることからとられたものです。

特にチュニジアは、カダフィ大佐の体制派が制圧している拠点が多いトリポリタニア地域と隣接しており、無用の殺戮を防止するための措置が講じられたものと推測されます。

また、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、内戦状態のリビアからチュニジアに逃れた避難民がこれまでの1日1万~1万5000人から、2000人以下に急減していることを明らかにしています。

カダフィ支持派が国境までの道路に検問を設けて脱出を妨害している可能性があり、UNHCRは状況を懸念しています。

UNHCRが国境を越えた避難民から得た情報によると、リビア側の国境付近は重武装をしたカダフィ支持派が支配しており、逃れる人から携帯電話や現金、カメラなどの所持品を没収しているといいます。

こうした避難民の脱出阻止に対処するために、アメリカ軍はいち早く動き出しています。今回の避難民の空輸は、アメリカ空軍が主体となって行われたと考えられます。

アメリカ海軍は、空母2隻の体制をアラビア海にて維持し、リビアの動乱がアラブ全域に波及しないように監視体制を強めています。同時に強襲揚陸艦キアサージとドック型輸送揚陸艦ポンスがスエズ運河を通航して地中海に入っています。

今のところはこの2隻に同乗している海兵隊は、リビア動乱に介入する可能性は低いものの、あらゆる事態に対処するべく準備を整えているものと推測されます。