【駐留軍攻撃で民間人64人死亡=国民感情悪化も―アフガン】2011年2月20日 時事通信
アフガニスタン東部クナール州のワヒディ知事は20日、同州ガジアバードで過去4日間、北大西洋条約機構(NATO)軍がアフガン軍と合同で実施した武装勢力掃討作戦で、民間人64人が死亡したことを明らかにした。ロイター通信が報じた。
駐留軍の作戦でこれだけの数の民間人が巻き添え死するのは異例。
厭戦(えんせん)気分が拡大しつつあるアフガン国民の間で、駐留軍に対する嫌悪感が増大する可能性がある。
ロイターによると、攻撃は地上作戦と空爆で、死者のうち20人が女性、29人が子供や若者。
NATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)はクナール州で最近作戦を実施したことは認めたが、民間人の犠牲は確認していないとしている。
引用、以上。
アフガニスタンにおける戦闘は、撤退が決定した後もドロ沼化が続いています。
アメリカ国防総省が2010年2月に発表した「4年ごとの国防政策見直し(QDR)」の冒頭には「我が国防総省の任務は、アメリカ人と国益を守ることにある。これらの任務を遂行するためにはまず、我が国が戦争遂行中の国家であると認識することである」と書かれています。
アメリカはアフガニスタンにおける戦いを明確に“戦争”であると位置づけています。
アフガニスタン戦争で知っておくべきことは、アフガンでは相手が正規軍、ゲリラ、テロ組織であるかを問わず、戦闘においては常に民間人に被害が及ぶ可能性があると言うことです。
アフガニスタン戦争は市民生活と戦闘地域が隔絶している今までの戦争とは違い、市民生活と戦闘とが一体となっており、戦闘員と非戦闘員の区別がつき難い「非正規戦」となっています。
日本政府はアフガン戦争やイラク戦争でよく「非武装地域」という用語を使っていますが、実際のところ、現地では、日本人、国連、NPOなどと言う区分は一切無く、常に死と隣り合わせの危険な地域であります。
日本の政治家も、こうした実態を知った上で、外交判断をなしていくべきです。