【民主化デモ:リビアの死者84人に】2011年2月19日毎日
中東と北アフリカ諸国での民主化要求デモは19日も拡大し、犠牲者が増え続けた。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、リビアでは16日のデモ開始以来、少なくとも84人が死亡。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラのリビア国内のウェブサイトや放送も遮断された。
バーレーンでは、ハマド国王が呼びかけた対話を野党勢力が拒否、デモ参加者も「王制打倒」を求めるなど混乱が収束する見通しはない。
ロイター通信によると、リビア東部アルベイダで18日夜、デモ隊と治安当局が衝突、14人が死亡。反体制派が同市を制圧し、町が封鎖されたとの情報もある。
東部ベンガジでも19日もデモが続き、医療関係者は毎日新聞の取材に「ベンガジだけで少なくとも50人が死亡、600~700人が負傷した」と語った。
バーレーンでは、ハマド国王が軍副司令官のサルマン皇太子を通じ、全政治勢力との対話を要請。しかし、イスラム教シーア派野党の「イスラム国民統合協会」は19日、市街地からの軍の撤退を求めて拒否。
軍はマナマの真珠広場から撤退したが、警官隊が催涙弾を発射。その後、警官隊も撤退し、市民が真珠広場を占拠し始めた。
引用、以上。
チュニジア、エジプトへと続く革命騒動は、ついにリビア、バーレーン、イエメンにも飛び火しています。
主にイスラム教の国で「革命の嵐」が吹き荒れており、イスラエルを包囲するように広がりつつあります。
これらの国で「反イスラエル」を旗頭とする「イスラム革命」が起こった場合、「第五次中東戦争」の危機はますます現実味を増すものとなります。
日本も、こうした事態と無関係でなく、これらの地域は紅海から日本列島に至るまでのシーレーンの端に位置しており、中東地域の安定は、日本における原油等の安定供給に不可欠です。
既に現在、原油価格が高止まりしておりますが、リビアやイエメン、バーレーンなどの原油の需給に大きなインパクトのある国で政権交代が起こった場合、原油価格は(1バレル=)110ドルを超えるとの見方も出ています。
産油国で政権交代が起きた場合、油田の開発権益などを外国企業から取り戻す「資源ナショナリズム」が強まる可能性もあります。
こうした視点に立ち、日本政府としても中東情勢の安定に貢献する努力が必要です。