【イラン軍艦がスエズ運河を通過予定、イスラエルは警戒】2011年2月17日 CNN
エルサレム(CNN)イランの軍艦2隻が16日夜、スエズ運河を経由してシリアに向かう予定であると伝えられた。
イスラエルはイランによる「挑発行為」だと反発。イラン側は、軍艦の航行は訓練の一環だとしている。
イスラエルのリーベルマン外相は軍艦航行について、「長年、起こらなかった出来事」であり、イランによる挑発行為であると反発。同盟諸国に警戒を促している。
イスラエル国防軍も、イラン船の動きを監視し、同盟諸国に警戒を促したとしている。
今のところ同国首相府からのコメントはない。
報道は原油先物相場にも影響。3月物は1.2%上昇の1バレル85.95ドルに、主に欧州で取引される北海ブレントは2.1%上昇の1バレル103.31ドルに上昇した。
市場参加者らは、情報は依然あいまいだとしながらも注意を促している。
イラン半国営のファルス通信が同国海軍当局の話として伝えたところによると、軍艦の航行は1年にわたる訓練の一環で、アデン湾から紅海に入り、スエズ運河を通過して地中海に抜ける予定とされる。
海軍の士官候補生が、自国の貨物船や石油タンカーを護衛するための訓練を受けるという。
スエズ運河は欧州とアジアを結ぶ石油輸送の要。毎日、数百万バレルがスエズ運河を通って欧州や北米に運ばれている。
引用、以上。
世界はカオス化に向かっています。
イラン海軍艦艇のスエズ運河通過によって、中東の緊張が一層高まりました。
“中東危機”がもう一段、近づいたと見るべきです。
イラン海軍の目的は、チュニジア・エジプト政変による中東情勢の流動化を利用して、イスラエルに大きなプレッシャーを与えることにあります。
日本向けの原油輸送はスエズ運河を通過することはありませんが、イランに面するホルムズ海峡を通過するため、イラン・イスラエルの紛争、或いは核戦争は、日本の生命線であるシーレーンの断絶に関わる大問題です。
中立的立場に位置する日本としては、アラブ諸国とイスラエルとの対話の促進、紛争の回避を目指して外交努力をなすべきです。