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2011/02/14 【日本のGDP、中国に抜かれ世界3位に】

【日本のGDP、中国に抜かれ世界3位に】

本日午前発表の内閣府統計により、2010年の名目GDPで日本は中国に抜かれ、世界第2位の経済大国の座を43年ぶりに明け渡すことが確定しました。

このことを受けて与謝野氏は記者会見で「我々は順位を争って経済活動をやっているわけではなく、国民生活をより豊かにするためにやっている」と述べました。

与謝野氏は「GDPを伸ばすこと」が「国民生活を豊かにすること」に直結していることが分かっていないようです。

中国の名目GDPは20年前は日本の1割強でしたが、中国はここ10年に渡って年率10パーセント前後の経済成長率を達成し、日本を追い抜きました。

もし、日本が「失われた20年前」に年率4%の名目GDP成長を維持していれば、今頃、GDPは1000兆円を超え、国民一人あたりの所得も倍増していた計算になります。

しかし、1991年の名目GDPは474兆円、本日発表された2010年の名目GDPは479兆円と、ここ20年間に渡るデフレの間、日本経済は全く成長していません。

実際、本日、内閣府が同時に発表した10月から12月までのGDPはマイナス0.3%で、年率に換算するとマイナス1.1%となり、5四半期ぶりにマイナス成長に転じております。

第4四半期の落ち込みは、エコカー補助金の打ち切りや、たばこの増税などで個人消費が大きく落ち込んだことが原因とされており、一種の「増税不況」です。さらに「消費税増税」がなされれば、GDPの大きな落ち込みは避けられません。

今、民主党政権は消費税増税論が主たる関心事となっていますが、今こそ、景気対策、経済成長政策に手をつけなければ、日本経済は更に沈没していきます。

日本はバブル期に「坂の上」まで登り切ったと慢心し、油断し、次なる目標を見失ってしまいました。日本はもう一度、「明日のジョー」の精神で「高度経済成長」「世界一位のGDP」に向かっていくべきではないでしょうか。