【ばらまき批判「許し難い」=藤井副長官】2011年 2月11日 ウォールストリートジャーナル
藤井裕久官房副長官は11日、神奈川県茅ケ崎市内で講演し、野党が民主党の看板政策である子ども手当や農家への戸別所得補償を「ばらまきだ」と批判していることについて「ばらまき説を言う人は経済の実態の変化が分かっていない。実に許し難い」と反論した。
藤井氏は、大規模な公共事業を実施しても高度成長期のような国民所得の増加は望めないと指摘。その上で「だから直接消費する人に直接お金を渡すということをやり始めた。これは自信を持ってやっている」と強調した。
引用、以上。
藤井氏は、大規模な公共事業を実施しても高度成長期のような国民所得の増加は望めないと指摘していますが、その論拠を示していません。
「先進国の高度経済成長は望めない」といったことは民主党政権の思い込み、あるいは経済低迷の言い訳に過ぎません。
日米欧30ヶ国の先進国が加盟するOECDの2000年~2005年のGDPの平均成長率は5.1%であり、日本だけは0.3%と最低水準で低迷しています。日本の次に低成長のドイツでさえ平均2.1%の成長を達成しています。
財務官僚の代弁者である藤井氏はバラマキ批判に反論し、増税路線を強化しようとしていますが、バラマキが批判されている理由は以下の点であることを藤井氏はわかっていません。
(1)産業のインフラを築く公共投資と異なり、現金のバラマキは経済成長を産まず、預金に消えてしまい、景気対策にも経済成長対策にもならないこと。
(2)現金のバラマキは、国民の「自助努力」の精神を喪失させ、結局は国家の衰退を招くこと。
(3)所得の再分配であるバラマキは高額所得者の負担を増やすため、国民の向上意欲を低減させること。
(4)セーフティネットとしての福祉は必要ですが、補助の必要の無い人まで一律に(選挙対策として)ばらまいていること。
(5)本来、子ども手当等のバラマキの財源が「財政の無駄の削減」で捻出予定されていたのに、「増税」で対応するようにすり替えたこと等々があります。