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2011/02/10 【政府、農地集約へ 取引仲介売却・賃貸情報一元化検討 大規模化や新規参入促す】

【政府、農地集約へ 取引仲介売却・賃貸情報一元化検討 大規模化や新規参入促す】2011年2月8日日経 

政府は農地の集約を進めるため、売買や賃貸借を仲介する「農地バンク」を設立する検討に入った。

 農地に関する情報を一括管理し、規模拡大や新規参入を目指す農家や農業生産法人に提供。農地の大規模化を促す。

 農地集約は環太平洋経済連携協定(TPP)をにらんだ農業改革の柱の一つ。

 規模拡大を進めた生産者への所得補償上積みや、参入規制の緩和とあわせ、農業分野の競争力強化を進める。

 「農地バンク」は地方自治体や農業委員会などから農地情報を集めてデータベースを構築し、農地の売買取引や賃貸借を全国規模で仲介する仕組みとなる。運営は国の外郭団体や生産者団体などが受け持つ見込みだ。

 自治体や農業協同組合が農地売買を仲介する事例はすでにあるが、いずれも地域内の農地を対象とした取引にとどまっている。

 全国規模で情報を集めて農地取引を仲介する組織はない。

 日本の農家は平均年齢が約65歳と高齢化が進み、農業をやめて農地を売却・賃貸したい生産者も増えている。遊休農地も多く、耕作放棄地は38万ヘクタール程度と、埼玉県に相当する面積に膨らんでいる。

 一方、農業参入を計画する企業などにとっては売買や賃貸借の対象となる農地の情報は少ない。

以上、農地取引は市場化されておらず、農地を売りたい場合も、農地を買いたい場合も、口コミや農協による斡旋に頼る以外に方法はありませんでした。

 そのため、新規参入者にとっては、農地取引は「見えない参入障壁」の一つでした。

 設立が検討されている「農地バンク」を通して農地取引の自由度を増すことは「農業の自由化」に向けた第一歩です。

 「農地バンク」を通じて、農地に関する情報を一括管理し、規模拡大や新規参入を目指す農家や農業生産法人に提供し、「農地の大規模化」を促すことが期待されています。

 農地の集約で大規模化、企業参入が進むシステムが広がれば、日本でも起業家や若い人達が農業に参加し、休耕地が減少し、農業・農地の活性化が期待されます。 

しかし、現状では企業の農地所有が認められないなど、農業の大規模化、企業参入に向けて、まだ多くの法的規制や障壁が設けられており、農業分野における大胆な規制緩和が求められます。