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2010/12/30 【「アメ先行」鮮明 沖縄振興策で新法10年期限を約束】

【「アメ先行」鮮明 沖縄振興策で新法10年期限を約束】(2010/12/28  産経より) 

政府は27日、沖縄県との沖縄政策協議会・沖縄振興部会(部会長・仙谷由人官房長官)を首相官邸で開いた。政府側は平成23年度末で期限が切れる沖縄振興特別措置法に代わる新法の策定を約束し、振興と基地負担軽減をテコに米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設問題を動かす路線を鮮明にした。

 だが、負担軽減の先行には米側が難色を示しており、政府はシナリオの書き直しを迫られている。振興部会は11月の知事選で仲井真弘多県知事が再選されてから初の開催。政府側から仙谷氏、馬淵澄夫国土交通相、北沢俊美防衛相らが出席した。

馬淵氏は振興新法に関し、24年度からの実施を目指し、来年夏までに法案の骨格をまとめる考えを表明。仙谷氏は記者会見で、新法の期限を現行特措法と同じ10年間とする意向を示した。

一方、仲井真氏は新法制定に向け、新公共交通システムの導入や「駐留軍用地跡地利用推進法」(仮称)の制定など計45項目の要望を関係閣僚に伝えた。これを受け、政府と県は27日午後、振興策取りまとめに向け、さっそく事務レベルの協議を始めた。

「奴隷でも馬でもないんだからアメとかムチとかいう表現はそもそも頭にない。基地問題と沖縄振興はリンクしないということで進んでいる」仲井真氏は会合後、政府の手法が振興策で基地問題を動かす「アメとムチ」ではないかと記者団から問われ、語気強く反論した。

普天間問題に関し、菅直人首相は振興策と基地負担軽減を通じて県側の軟化を引き出し、解決を目指す道筋を描いている。23年度予算案で10年ぶりに沖縄振興関連費を増額したのも、その一環で、沖縄県の移設反対派からは「アメとムチ」との批判もある。

特に、政府は日米が合意している嘉手納飛行場(嘉手納町)以南の米軍施設の先行返還を普天間問題を動かす最大のテコになると踏み、北沢防衛相も1月中旬に来日する米国のゲーツ国防長官に求める予定だ。同時期に沖縄政策協議会の基地負担軽減部会を再開することにしている。

だが、米側は普天間問題を先送りしたままの「つまみ食い」を懸念し、負担軽減の先行実施に難色を示す。菅政権のもくろみは崩れつつあるといえ、「県側に振興策ばかりを先食いされ、普天間飛行場は固定化される最悪のシナリオが現実化する」(防衛省幹部)おそれが出ている。

以上、自民党政権時代からのツケでもありますが、日本政府が米軍基地配備の見返りに沖縄を“補助金漬け”にして来た結果、沖縄は米軍基地撤去(県外移設)を交渉材料に、莫大な振興予算や補助金の獲得圧力を強める“ゆすりたかり構造”が出来上がってしまっています。

基地反対勢力には左翼イデオロギー集団だけではなく、補助金獲得を目当てにしている勢力もいます。今後10年の沖縄振興予算という最大のカードの“先食い”を許してしまった菅政権の「普天間基地問題」解決シナリオは全く見えて来ません。