【東シナ海、中国軍機急増 尖閣事件後、緊急発進相次ぐ】(2010年12月27日 朝日新聞より)
今年9月の尖閣事件以降、東シナ海上空で自衛隊機に対して中国軍機がこれまでにないような接近をする例が出始めている。日本側は「エア・ハラスメント」と呼んで分析と対策の検討を始めた。
一方、自衛隊の中国機に対する緊急発進(スクランブル)も今年度すでに44回に達し、過去5年で最多となっている。南西諸島周辺の日中間のせめぎ合いは、海上・海中にとどまらず空にも広がっている。
海上自衛隊は、P3C哨戒機に加え、EP3電子戦データ収集機や、OP3C画像情報収集機などの「偵察機」を南西諸島の北西空域にほぼ連日飛ばし、中国軍の動きを監視している。
航空自衛隊もYS11EB電子測定機で電波を傍受している。いずれも主に日本の防空識別圏(ADIZ)の内側、日中中間線付近を飛んでいるという。
こうした「偵察活動」に対し、中国側はこれまで戦闘機や攻撃機を発進させてもADIZの外までにとどめていた。
ところが、尖閣事件の翌月の10月からは、海軍のJH7攻撃機がADIZ内に入るだけでなく日中中間線も越えて、自衛隊機を視認できる距離まで近づいてくるようになったという。
これに対して航空自衛隊がスクランブルをかけると引き揚げていくという。日中間でいわば「スクランブル合戦」が繰り広げられている状況だ。
防衛省によると、今年度の中国機に対するスクランブルは12月22日現在で44回にのぼっているが、これは06年度の総計のすでに2倍に達している。*・・・・・・・・・・・・・・・*
以上、中国海軍艦艇による、南西諸島を含む「第1列島線」の通過が常態化しつつありますが、「領海」のみならず、「領空」においても日中中間線を超えて、沖縄本島を含む南西諸島全体が中国軍機の作戦行動範囲に入る恐れが出ています。
中国は戦闘機「殲11」500機余りの量産、配備を計画しており、その能力は日本の航空自衛隊の主力戦闘機であるF-15に匹敵すると言われています。
沖縄の航空自衛隊那覇基地にF15戦闘機が20機配備されていますが、自衛隊筋からも「日本の航空優勢が失われつつある」と懸念する声が上がっており、沖縄の制空権が危機に瀕しています。日米同盟強化はもちろん、自衛隊の南西諸島への重点配備が急がれます。