【ローマ法王、信教の自由規制の中国を批判】(産経新聞 2010/12/25 より)
ローマ法王ベネディクト16世(83)は25日、バチカンのサンピエトロ広場で多くの信者を前にクリスマス恒例のメッセージを読み上げ、信教の自由を規制し、カトリック教会を政府管理下に置こうとする中国の動きを間接的に批判した。
また、北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃などを受け緊張が高まっている朝鮮半島について南北の和解を呼び掛けた。
間接的とはいえ法王が中国政府への批判を公にするのは異例。中国では11月以降、政府公認のカトリック団体がバチカンの承認なしに司教を任命したり、団体のトップを選出したりするなど、バチカンの関与を排除する動きが続いており、双方が非難し合っていた。
法王は中国本土の信者たちに対し「宗教と良心の自由に対する制限があっても心を失うことなく、キリストと教会への忠誠を保ち、希望の炎をともし続けるよう」訴えるとともに、朝鮮半島については「和解が進展するよう」求めた。
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以上、この背景には、中国が11月20日、政府公認の宗教団体、中国カトリック愛国会が独自に選んだ司教の任命式が行われたことがあります。
バチカン側は同司教任命を承認しておらず、任命式を強行すれば中国とバチカンの関係改善の動きが損なわれると事前に警告していました。
任命されたのは、全国人民代表大会(全人代=国会)代表も務める中国カトリック愛国会の郭金才副秘書長。当然ならが共産党員です。
中国は憲法上、「信教の自由」を保障していますが、チベット(仏教)やウイグル(イスラム教)での宗教弾圧に顕著なように、事実上、「信教の自由」は無く、中国のキリスト教会も「信教の自由」を認めていることを誇示するための傀儡宗教に過ぎません。
「信教の自由」は人間にとって最も重要な「自由権」であり、「信教の自由」を弾圧する国家に自由はありません。