沖縄県の玉城知事は、自衛隊の反撃能力として長距離ミサイルを沖縄県に配備することについて、地域の緊張を高めたり、沖縄が攻撃目標となったりする恐れがあるなどとして、反対する姿勢を示しました(※)。
玉城氏に限らず防衛力強化に反対する立場の人の多くは、緊張の高まりや攻撃目標となることを反対の理由にあげます。
しかし、そもそも緊張を高めているのがどちらなのかという認識が不足しているようにと思えますし、相手の脅威に応じた防衛力を整備しなければ軍事バランスが崩れて、かえって緊張が高まることに繋がり、相手の侵攻を呼び込むことにもなりかねません。
また、攻撃目標になる恐れがあることをもって、防衛力の配備に反対するのであれば、一切の防衛力の保有に反対することと同義になるのではないでしょうか。
しかも、有事の際に標的になるのは、軍事設備だけではありません。
空港、港湾、橋梁、発電設備、燃料備蓄設備、通信設備などあらゆるインフラが標的になり得るわけですから、極論をするなら、こうしたインフラを整備することも反対ということになってしまいます。
沖縄県が経験した悲しい歴史に対する人々の感情は酌む必要があると思いますが、だからと言って、「防衛力を行使するくらいなら、隷属するほうがまし」というわけでは無いはずです。
自衛隊の装備を現状のままとし、米軍が縮小することを、一番喜ぶのはどこか考えるべきではないでしょうか。
必要なのは、沖縄県を二度と戦場にしないために、外交努力と共に防衛力を整備する不断の努力を怠ってはならないということであると考えます。
※:https://www.47news.jp/news/8918618.html