ウクライナでの戦闘は、ウクライナ人の強い意志とロシア軍の意外な弱さにより、戦闘が長期化していると報じられています。
また、ロシアによる核兵器使用の懸念が、欧米による支援を難しくしているようです。
そうした中、ウクライナが西側兵器の実験場と化しているとのニュースがありました(※)。
当初、欧米はウクライナ支援にあたって、ウクライナが使い慣れた旧ソ連製の兵器をかき集め、それらを中心にウクライナに供与していました。
それ以外に、欧米製の高性能な兵器もありましたが、ほぼ歩兵が携行する兵器や砲熕兵器だけでした。
その後、戦闘が長引くにつれ、GPS誘導弾、対レーダーミサイル、中射程の対空ミサイルなど、西側諸国の一線級の兵器を次々と供与するようになりました。
中には、実戦での使用が初めての兵器も含まれています。
こうした兵器がウクライナの戦場で得られた経験は、供与元の軍隊のみならず、それらを製造したメーカーに重要なデータとして蓄積されます。
残念ながら、これが戦争の現実です。
もちろん、戦場で得られた貴重な教訓を安全保障に生かす必要はありますが、戦場での兵士や市民の犠牲と引き換えに、いわゆる死の商人が次の商売のネタを集めている側面もあるのです。
その上、米国は供与する兵器の量も逐次拡大しています。
ウクライナへの供与自体は無償ですが、米国が保有する兵器はタダではありませんし、減った分を調達する必要もあります。
ですから、ウクライナでの戦闘が長引けば長引くほど軍事産業が潤うという構図が浮かび上がります。
これは、バイデン政権による、形を変えた経済浮揚策に他ならないのではないでしょうか。
そう考えると、そもそもバイデン政権から「何が何でも早期に戦闘を終結させる」という気概が伝わってこないのも頷けます。
ウクライナでは、ロシア側も含めて死傷者の数が10万人を超え、20万人に迫っているとの見方もあります。
一刻も早い戦闘の終結こそが先決であることを忘れてはなりません。
※:https://www.cnn.co.jp/world/35198660.html