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2023/01/17【米露の核兵器の使用をめぐる日本の矛盾とは】

 ロシアのメドベージェフ前大統領が、岸田首相は「切腹するしかない」と自身のSNSに投稿しました。

 これは、ロシアによる核兵器の使用は人類に対する敵対行為になり正当化できないとする日米首脳会談の共同声明に反発したものです。
 

 これに対し、ロシアを敵と考える人などは、ウクライナを侵略したのはロシアであり、その上、非人道的な核兵器の使用をチラつかせているのはロシアなので、メドベージェフ氏の投稿は許せないとの声が多いようです。
 

 ただ、メドベージェフ氏の投稿をよく読むと「核兵器を使用した唯一の国は米国であり、その被害を受けたのが日本であることを、岸田首相は完全に無視し米大統領に謝罪を求めることもしなかった」旨を指摘したうえで、その恥をそそぐために切腹に言及しています。

 親日家ではなく特に日本に対する思い入れの無いメドベージェフ氏に肩入れする気はありませんが、米国による核兵器の使用についての言及は、筋が通っている部分があるように思えます。
 

 なぜならば、ロシアによる核兵器の使用が人類に対する敵対行為に値するほどの最悪の蛮行というのであれば、広島のみならず長崎にも核兵器を使用した米国の責任や謝罪を追及しないのは大きな矛盾があるからです。

 さもなければ、「理由があれば核兵器を使用してもいい」ということになり、明らかに二重基準です。

 ですから、ロシアを批判するのであれば、その前に「米国による広島・長崎への核兵器の使用は誤りであった」ことを認めさせる必要があるのではないでしょうか。

 それこそが、広島選出の議員でもある岸田首相の責務のように思います。