フランスの風刺漫画を掲載する週刊新聞社が、イランのイスラム教指導者をからかう風刺画を掲載し、イランが猛反発しフランスと間で外交問題となっています(※)。
同社は、イスラム教の預言者を侮辱する風刺画を掲載したことから、8年前にイスラム過激派による襲撃を受け多数の犠牲者を出しています。
今回、同社は、イラン国内で昨年から続く、いわゆる反スカーフデモを支持する立場から問題となった風刺画を掲載したとされます。
フランス政府は、同社と関係が無いとの立場ですが、報道の自由を理由にイランによる批判は受け入れられないとしています。
確かに、イラン国内の政治体制には旧態依然とした部分があり、自由や民主主義の価値観からすれば、見直すべき部分があるかもしれません。
しかし、だからと言って、正当な形で批判するならまだしも、人々が敬意を払っている対象を侮辱したり、笑い飛ばしたり、あるいはからかったりすることが無制限に許されるという訳ではないはずです。
特に、報道の自由や言論・表現の自由を盾に、「尊敬の対象が侮辱されても人々は甘んじて受け入れなければならず、それが西側社会の価値観である」というのであれば、他の多くの世界の価値観とは相容れないということを知るべきではないでしょうか。
もちろん、言論・表現の自由は尊重されるべきですが、個人に対して同様の表現をすれば侮辱罪や名誉棄損罪が成立するような内容には、報道機関として一定の配慮があってしかるべきと考えます。
※:https://www.47news.jp/8785201.htm