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2022/12/26【秘密保護法をめぐる矛盾とは】

 自衛隊の現役幹部が、特定秘密保護法で定められた機密を漏らしたとして懲戒免職されました。

 特定秘密保護法違反による初めての処分ということになります。
 

 
 特定秘密保護法は2014年に施行されましたが、それまではこの種の法律が事実上無かったため、諸外国に比べて日本はスパイ天国と言われる状態でした。

 特定秘密保護法も、スパイを防止するうえで万全とはいえないものの、その施行により米国など同盟国との情報のやり取りが円滑になりました。
 

 しかし、同法が成立した当時、左翼リベラルといわれる勢力を中心に、「恣意的な運用により国民の知る権利が損なわれる」として猛反対が起こりました。
 

 今回、同じ勢力が、自衛隊及び政府の失態であるとして批判をしています。

 情報漏洩は過去にも起きており、自衛隊の体質そのものに問題があるとか、実効性のある再発防止策が必要とか、語気を強めています。
 

 ただ、法律の成立当初は反対しておきながら、同じ法律の違反が明らかになると、今度は法律の厳格な運用を求めるかのような物言いに違和感を覚えます。

 これでは、単に反対のために反対しているようにしか見えませんから、人々をいったいどの方向へ導こうとしているのか分からなくなりそうです。
 

 「今、言論に基づいて民主主義が成り立っているといっても、言論そのものが間違っているとしたら、それは民主主義だって、結果は『間違いの民主主義』でしょう」(※)という言葉が心に響いてなりません。

 ※:大川隆法著『地獄の法』幸福の科学出版