中国が保有する核弾頭数は、現在400発から、10年後には1500発に増加する見通しであると米国防総省が発表しました。
米ロはそれぞれ、5000発から6000発保有しているので、中国は数の面ではまだまだ及びませんが、米ロの核弾頭は製造から数十年経過した旧式のものも少なくないことから、最新型をハイペースで量産する中国には一層の警戒が必要です。
また、国連常任理事国5か国以外にも、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエル、そして間もなくイランと、ますます核兵器保有国が増えている現状にも留意する必要があります。
ひるがえって日本を見ると、「広島・長崎で原爆投下がどれだけ悲惨なものか経験しているので、もう世界はそう簡単に核兵器を使えるはずがない」と、どこかで高を括っている部分はないでしょうか。
同時に、広島・長崎の悲劇を、本当に自らの悲劇と同じように感じている国が一体どれだけあるのでしょうか。
少なくとも、広島・長崎に原爆を投下した当事国である米国は、いまだにそれを過ちとして認めておらず、正義のためにやむを得ない選択だったとしています。
しかし、この論理が成り立つのであれば、核兵器保有国は「“ぞれぞれの国が考える正義”のために核兵器を使用してもよい」ということになってしまいます。
そう考えると、核兵器保有国にとっては、私たち日本人が考えるほど核兵器使用のハードルは高くない可能性があります。
つまり、核兵器保有国が非保有国に対し核攻撃をするリスクもゼロではないのです。
悲劇を繰り返さないために、今こそ世界は、救世主の声に耳を傾ける時ではないでしょうか。