あるサービスを利用するにあたって、以下のような規約がある場合、あなたならどうしますか。
・システム利用者が、本システムにアカウント登録する場合、○○に対して次に掲げる事項について同意したものとみなします。(事項として8項目を記載)
・△△は、本システムの利用及び利用できないことによりシステム利用者又は他の第三者が被った損害について一切の責任を負わないものとします。
・△△は、必要があると認めるときは、システム利用者に対し事前に通知を行うことなく、いつでも本利用規約を改正することができるものとします。
実は、これ、政府が運営する「マイナポータル」の利用規約なのです。
マイナポータルとは、マイナンバーカードを持った人が無料で利用できるオンラインサービスのことです。
上記の○○には「内閣総理大臣」が、△△には「デジタル庁」が入ります。
具体的なサービス内容は、公金受取口座の登録や変更、診療・薬剤・医療費・健診情報の確認などができることです。
しかし、こうしたオンラインサービスには常に情報漏洩のリスクがつきまといます。
実際、外国では同様のサービスで、なりすましなどの犯罪や大規模な情報漏洩が発生し問題となっています。
政府は、セキュリティは万全であるとしていますが、リスクがゼロではないことを念頭に置く必要があります。
特に、個人の資産や健康に関連する極めてプライバシー性の高い情報を扱うだけに、他の一般的なオンラインサービスに準じるような利用規約では、不安を感じるのも正直なところです。
もちろん、政府の情報管理に全幅の信頼を寄せるのも一つの考え方ですが、政府による過度の個人監視の懸念も払しょくできない現状では、マイナンバー制度そのものの見直しも検討すべきではないでしょうか。