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2022/10/31【沖縄の米軍戦闘機部隊が撤収する意味とは】

 沖縄県にある米軍嘉手納基地の「F-15」戦闘機の部隊が、来年以降、順次本国に撤収するとの報道がありました(※)。

 その理由は機体の老朽化とされ、本国に撤収後は退役すると見られています。

 那覇基地には、代わりに新しい世代の戦闘機を常駐配備、もしくはローテーション配備することが検討されているものの未定とのことです。
 

 確かに、F-15は最初の機体が配備されてから半世紀近くになり、本国でも退役が進んでいます。

 嘉手納基地の戦闘機部隊は、極東の米軍の主戦力の一つであり、通常であれば後任の戦闘機部隊が配備されるのが当然ですから、ここまで大きなニュースにはなりません。

 しかし、懸念されているのが、米国に防衛ラインを後退させる思惑があるのではないかということです。

 バイデン政権は、対中強硬姿勢とは裏腹に国防費削減の思惑がありますし、中国の軍備拡大を目の当たりにして撤退・縮小の思惑があるのではないかということです。

 嘉手納基地は、中国本土と台湾に近く、中国軍に対する大きな圧力となりますが、反面、中国からの攻撃を受けやすく、第一撃で甚大な被害を受ける可能性があります。

 特に、中国軍は中距離弾道ミサイル等を増強しており、集中攻撃された場合に対処する時間的な余裕が無いと見られています。

 これは、沖縄に配備された自衛隊にとっての課題でもあります。

 「中国の軍拡に合わせて、日本も防衛力を強化すれば、際限のない軍拡に繋がるので乗るべきではない」というのが一部の左翼勢力の常とう句ですが、十分な抑止力が無ければ、逆に外国による侵攻を呼び込んでしまうのが世界の現実です。

 今後、米軍の出方によっては、中国軍はますます日本周辺での軍事的な進出を強めてきますから、後継の米軍戦闘機部隊の動向に注目が必要です。

 仮に、米国が撤退・縮小につながる判断をした場合、日本はますます「自分の国は自分で守る」という気概を強くしなければなりません。

 ※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221028/k10013873341000.html