バイデン大統領は、先ごろ、大麻(マリファナ)の単純所持で連邦法に違反した犯罪について全て恩赦すると発表しました(※)。
バイデン氏は、大麻の合法化を公約としています。
恩赦の理由について、バイデン氏は「多くの州でもはや禁止されていない行為により多くの人を投獄してきた」とし、「大麻所持の犯罪歴が雇用や住宅、教育の機会に弊害をもたらしている」としました。
ただ、中間選挙を前にしたこの時期の恩赦の発表は、選挙対策の色合いが濃いものです。
米国では、大麻の合法化に賛成する人が少なくありませんし、大麻を所持する人の割合は、白人と黒人であまり変わらないにもかかわらず、黒人が有罪となる割合のほうが高く不公平との不満もありました。
バイデン氏には、選挙前にこうした有権者を取り込みたいとの思惑が見て取れます。
しかし、州ごとで法律が異なっていたとしても州法の独立性を尊重すべきことは言うまでもありませんし、人種により立件する割合が異なるのであれば、法を犯している以上、白人への取り締まりを強化するという方法もあるはずです。
今回の恩赦は、形を変えたバラマキ政策のようにも見えてしまいます。
そして、危惧されるのは、バイデン政権による大麻合法化の波が、日本にも影響を及ぼす可能性です。
一部では、「大麻は人体への悪影響が少ない」との誤った認識があります。
実際は、大麻には高い常習性があり、人体への悪影響が厳然としてあります。
そして、より危険な麻薬への入り口となり得るものであり、犯罪の温床ともいえるものです。
ですから、大麻などの麻薬はたいへん危険なものであるとの認識を変えるべきではありません。
ストレスから開放されたいなどの理由があるにせよ、苦しみから逃避するだけでは、現実は何も変わりません。
人生の苦しみと対峙する王道として霊的人生観があるのです。
※:https://www.asahi.com/articles/ASQB721F6QB7UHBI001.html