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2022/10/19【ウクライナが核保有国と戦っているという現実をどう受け入れるべきか】

 ウクライナ東部南部でのウクライナ軍の攻勢が伝えられていますが、このままウクライナ軍が領内のロシア軍を駆逐して戦闘が終結するのでしょうか。

 しかし、ロシアの国内事情などを踏まえれば、ロシアが敗北する形で矛を収めることは考えにくいのが現実です。

 むしろ、追い込めば追い込むほど、今回の戦闘で自らに一定の制限を掛けていたロシアは、その制限を取り払う可能性が高まっています。

 具体的には、ウクライナ政権中枢への攻撃や、核兵器の使用などです。

 特に核兵器の使用は大きな悲劇をもたらすにもかかわらず、ロシアが使用を思い止まるだけの報復や制裁の材料を、欧米が本当に提示できているのか疑問です。

 
 むしろ、バイデン政権は、ロシアによる核兵器使用の危機を煽ると同時に、ロシアが核兵器を使用するように追い詰めているようにさえ見えます。

 例えば、バイデン政権がロシア対し水面下で核兵器よる報復を伝えてあるのであれば、ロシア側は躊躇する可能性がありますが、それはウクライナに核の傘を提供することと同じことですし、正にハルマゲドンにつながる可能性のある行為ですから、バイデン政権にそこまで踏み込む判断はできないと見るのが妥当です。

 その上で、欧米は、引き続きウクライナへ軍事支援を続けることで、ロシアの通常戦力を疲弊させる構えですから、ロシア側の打開策は絞られつつあります。

 現在のところ、ロシアが核兵器を使用する具体的な兆候はないものの、ウクライナは核保有国であるロシアと戦っているという現実があります。

 欧米に、戦闘を終わらせる落とし所が見えているのでしょうか。

 これ以上の犠牲を出さないためにも、両者が話し合いのテーブルに戻ることを第一に考えるべきではないでしょうか。

 その際、話し合いは、言い換えれば双方の妥協交渉でもあるということを忘れてはならないと考えます。