政府は、マイナンバーカードと保険証を統合する方向で検討を行っているとのことです。
実現すれば、事実上、マイナンバーカードの発行が必須となります。
ここで、確認しておきたいことがあります。
それは、マイナンバー(個人番号)は、マイナンバーカードを発行しなくても、既に全国民に付与されており、通知もされているということです。
マイナンバーは、7年前に紙製の「通知カード」と共に全国民に郵送されているのです。
更に、全国の自治体では、福祉サービスなどを理由する際に、多くの場合でマイナンバーを記入することになっていますが、一方でマイナンバーが理由で、行政サービスを利用できない事例は現在ではほとんどないようです。
つまり、マイナンバーカードのメリットは、証明書としての利用以外には、国民にとって実感できないものがほとんどです。
しかし、政府はマイナンバーカードの普及に躍起になっているように見えます。
多額の予算をつぎ込んでポイント付与などの特典を提示するものの、マイナンバーカードの発行数は全国民の半分余りに留まっている現状があります。
マイナンバー制度導入の最大の目的は、将来、銀行口座と紐づけることで、税の徴収を効率的に行うこととされます。
であるならば、なおのことマイナンバーは他人に知られないように厳格に管理する必要があります。
それでも、政府はマイナンバーカードを、民間を含めた様々なサービスと統合しようとしており、マイナンバーカードを常に携帯しなければならない状況を作ろうとしています。
これは、マイナンバーの流出を防止する観点で明らかに矛盾するものです。
今後、マイナンバーから、私たちの資産状況や、健康状態が一元的に把握される恐れがあります。
政府による個人の過度な監視への懸念の観点からも、マイナンバー制度そのものを見直す必要があるのではないでしょうか。