連日、暑い日が続きますが、この夏も日本の電力需給は綱渡りの状態です。
原発の再稼働が進まない中、温暖化防止の美名のもと火力発電の新規大量増設は見込めず、古い火力発電設備を再稼働して、何とか電力の供給量を確保している状態です。
仮に、稼働中の火力発電所にトラブルが発生し、電力需給のバランスが崩れると、ブラックアウトと呼ばれる大規模停電の恐れがあります。
経済・社会活動は混乱するとともに、酷暑の中での停電は熱中症など命の問題に直結するなど、その影響は計り知れません。
最近の国政選挙などで、ウクライナにおける原発周辺での戦闘を念頭に、原発への攻撃を危惧する声が聞かれます。
しかし、そもそも、原発が攻撃されるような状況下では、他の戦略目標も攻撃されると認識すべきです。
今の日本が置かれた状況は、火力発電所が攻撃されただけでも、大混乱が発生する可能性があるのです。
ですから、電力供給に十分な余裕を持つことは安全保障上も極めて重要です。
そのために、温暖化仮説に政策資源の100%を投入することは危険ですし、非現実的な安全性議論に終始する原発の再稼働問題も、政府が現実的な見地から早期に解決して再稼働を進めるべきではないでしょうか。