7月
18

2022/07/18【企業にも“independent”の精神を】

 コロナ禍による企業への経済対策として政府が進めた「実質無利子無担保融資」の返済期限が今後次々に迫ってきます。
 

 この融資は、感染の急拡大で売り上げの落ち込んだ企業の経営を支えるために、一定の役割を果たしたことは事実です。
 

 ただ、利子分を政府が補てんするなど実質的に政府の保証があるため、従来なら融資が困難な企業に対しても、比較的簡単に融資がなされてきました。

 中には、感染拡大の半年前に実施された消費増税の影響で売り上げが落ち込んでいた企業に対しても、感染拡大の影響と称して融資されたとの指摘も少なくありません。
 

 その結果、本来は経営破綻していたはずの企業が、この融資のおかげで延命できた側面があるのです。
 

 しかし、返済期限が迫る中、融資が経営改善につながらなかったため、融資先の4分の1以上で返済が滞る可能性が浮上しています。

 2021年末時点で約42兆円の貸出額ですから、単純計算で10兆円以上が焦げ付く可能性があるのです。
 

 民間銀行の貸出額も多いだけに、何らかの対策を講じなければ、日本経済全体に更なる悪影響が及ぶのは必至です。
 

 一方、企業側も政府による甘やかしとも取れる政策に安易に乗ると後が大変な場合があると肝に銘じるべきではないでしょうか。

 大切なのは資本主義の精神であり、それは「Be independent and strong!」の精神そのものです。

 これからの難局を乗り切るためには、企業経営も改めて“independent”を旨とすべきと考えます。