連日の猛暑により、国内の電力供給量が逼迫し、東京電力管内などでは「電力需給ひっ迫注意報」が発令されています。
「大規模停電の恐れがあるので、熱中症防止のための冷房を適切に使いつつも、無理のない範囲で節電を」という政府の呼びかけは、頑張って節電すべきなのか、それとも節電は適当でいいのか、多くの人が混乱しているのではないでしょうか。
つまり、この状況は国のエネルギー政策がうまく行っていない証左と言えそうです。
こうした中で、再生可能エネルギーの増加を期待する声があります。
太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーは、二酸化炭素を排出しないとされ、エネルギーの自給も可能となるため、期待の高まりは理解できる部分があります。
しかし、太陽電池モジュールの生産量は、中国が約70%を占め、日本は1%程度に過ぎないという現実を直視する必要があります。
太陽光発電によりエネルギー自給率を高めたとしても、そのおおもとの設備を中国に依存するという状況は、日本のエネルギー安全保障を危機にさらすことになります。
これは、電池やEV用モーターなど素材を中国に依存する状況でも同様です。
ですから、再生可能エネルギーの導入を進めるのであれば、関連機器の国産化も同時に進める必要があると考えますが、この点を既存の政治家の多くが見落としている観点ではないでしょうか。
そもそも、二酸化炭素による地球温暖化説は、シミュレーションで作られた仮説の一つに過ぎません。
このまま、闇雲に脱炭素政策を進めると、中国を利する一方で、日本が没落する事態になりかねないので、脱炭素政策至上主義とも言える現在の状況は見直すべきではないでしょうか。