自民党は、防衛費について、対GDP比で現在の1%から5年以内に2%を目指すという政府方針を示しました。
幸福実現党に遅れることおよそ10年で、ようやく最低限の目標設定に到達した感があります。
ただ、そこには夏の参院選に向けた思惑が少なからず感じられます。
今までの国政選挙では、自民党だけでなく他の政党も国防は票にならないとして、ほとんど触れてきませんでした。
それが、ウクライナとロシアの武力衝突をきっかけにした国民の不安を見て、急遽、国防強化を言い出したからです。
実際には、ウクライナ問題以前に、中国や北朝鮮の軍事的脅威が高まり、日本の安全保障は脅かされていたのです。
しかも、財源の議論がほとんどなされていませんから、場当たり的な与党の国防強化策は、更なる財政赤字を招くことが必至です。
こうした心配に配慮してか、自民党は「財政健全化の旗は降ろさない」と強調しています。
しかし、財政健全化の具体的な道筋を示していないことから、このままでは、巨額の財政赤字が政権維持のコストとして積み上がるばかりです。
ですから、幸福実現党が主張するように、財政危機を回避するために、「バラマキ政策の撤廃」、「省庁の新設ではなく統廃合」、「社会保障改革」などを、国防強化と同時に推し進める必要があるのではないでしょうか。