5月
31

2022/05/31【ロシアを招待しないのは偏狭すぎないか】

 広島市は今年の平和記念式典にロシアを招待しないことを決めました。

 その理由として、プーチン大統領を招待することが他の国が出欠を検討する材料にもなり、式典の執行に支障をきたす恐れがあることをあげています(※)。
 

 確かに、ウクライナ問題でロシアは核兵器の使用をほのめかしたとして、被爆者や国民の間でロシアに対して批判的な感情が高まったことは事実です。

 加えて、ロシアが参加するなら自国は参加しないとする国もあり得る話です。
 

 しかし、広島市自身が式典は被爆の実相に触れてもらう絶好の機会であると認めているのですから、ロシアによる核兵器の使用が懸念されるのであれば、なおのことロシアを招待すべきだったのではないでしょうか。

 むしろ、招待することこそ被爆地である広島の務めのようにも感じます。

 世界から恒久的に核兵器を廃絶することを目指していながら、感情的にロシアを排除することは偏狭であると言わざるを得ません。

 一方で、政府は来年開かれるG7サミットの会場を広島市に決めました。

 オバマ大統領に続いて、バイデン大統領も必然的に広島市を訪れることになります。

 
 オバマ大統領の訪問時は、米国の大統領として初の広島訪問を評価する声もありましたが、肝心のオバマ大統領の原爆投下についての言葉は、「空から死が降ってきた」と完全に他人事でした。

 広島・長崎に続く被爆地を出さないというのであれば、広島・長崎への原爆投下した当事国が謝罪することが第一歩のはずです。

 また、ロシアの核兵器による威嚇を批判するのであれば、同じようにまずは広島・長崎への原爆投下が誤りであったことを認めさせる必要があるように思います。

 ですから、バイデン大統領が広島を訪問するのであれば、しっかりとした謝罪を求めるべきではないでしょうか。

 ※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220526/k10013644701000.html