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2022/05/24【“原発”と“原爆”を同一視する反原発派】

 福島県内の農水産業は未だに原発事故の風評被害に悩まされています。

 福島第一原発の敷地内に溜まった汚染水の海洋放出も、風評被害を理由に地元漁民の了解が得られていません。

 そうした中、福島県に隣接する新潟県の県知事選の投開票が今週末に行われますが、新潟県内にある柏崎刈羽原発の再稼働を争点にする動きがあります。
 

 2人の候補者のうち現職は、福島での事故の検証が終わっていないため、再稼働の是非を判断する状況に無いとしています。

 一方の対立候補は、明確に再稼働反対と原発の廃止を訴えています。
 

 
選挙なので異なる主張があってもいいと思いますが、今回の対立候補の主張には首を傾げたくなる部分があります。
 

 それは、ウクライナの原発が一時ロシア軍に狙われたことを引き合いに「柏崎刈羽原発は世界最大の原発だ。これは狙われる。狙われたら逃げられない」と主張している点です。

 加えて、「テロやミサイル攻撃で故意に破壊される可能を考えれば、原発を持ち続けるということは、いわば自国内に外国の核兵器を常備していると同じ事ことなる」と不安を煽っています。
 

 現下の情勢を踏まえれば、日本が外国から武力行使を受ける可能性が高まっていることは否定できませんが、だからと言って、原発だけが攻撃目標になるとは考えられません。

 日本が武力攻撃を受ける可能性があることを認めるのであれば、「どの国が何の目的で」、「その際の防衛力は十分か」、「必要な有事法制は整っているか」、「在外邦人の保護は」、「エネルギーや食糧は確保できるか」など、先に考えなければならない課題は山済みです。
 

 その上、原発を外国の核兵器と同一視し、あたかも核爆発が起こるかのように言うのは、無知を通り越して悪質なデマのようにさえ思えます。
 

 福島での風評被害が収まらない理由の一端には、一部の原発反対派が、人々の恐怖心に付け込んで、原発や放射能への恐怖を煽り続けていることがあるのではないでしょうか。
 

 ウクライナ問題では、エネルギー自給の重要性が顕在化し、資源小国の日本にとって原発を捨てられないことが逆に明らかになりました。

 ですから、原発に関する正しい知識を得ることが大切ですし、事故を経験した日本であるからこそ、世界一安全な原発を造る責任があると考えます。