18日に放送されたある大手マスコミのラジオの報道番組で、「心のスキマを狙う“怪しい勧誘”に注意」と題して専門家に話を聞いていました。
話の内容は、主にマルチ商法など詐欺まがいの商品やサービスの勧誘について注意を促すものでした。
その専門家の方は、勧誘する側は言葉巧みに話を持ち掛け、勧誘される側が周囲に相談しても、「新しいビジネスだから、多くの人は理解できてない」などと言って納得させることなど、いくつかの事例を紹介していました。
そして、番組のアナウンサーが「要するに宗教の勧誘と同じということですね」と言う旨の発言をしていました。
これに対しその専門家の方は、「それは宗教によりますね」と至極真っ当な答えをしていました。
私たちは、何事にも印象で判断をしがちです。
そして、印象を鵜呑みにして、過った判断をしてしまうことは、日常生活の中で幾らでもあります。
たとえば、日本ではウクライナ国内の被害の報道が続くことで、露国憎しという感情が高まる一方で、戦争が長期する弊害を憂いている欧米の国民の声はあまり報道されません。
そうすると、ウクライナへの支援の声が高まり、露国への経済制裁だけではなく、日本の戦争への加担も止む無しという雰囲気が漂いかねません。
そうなった場合、露国と隣接する日本が戦場になる可能性も出てきます。
故に、報道するマスコミには世論をつくっているという責任がありますし、視聴者の私たちにもマスコミの発言や印象操作に対しては一定の警戒が必要です。
話は戻りますが、確かに、不安を煽るなどあの手この手で勧誘する反社会的な宗教団体があることは事実です。
しかし、そのアナウンサーのように宗教団体の伝道を、番組で取り上げた勧誘と重ねて一律に怪しい行為であるかのように扱うのは明らかに偏見であり、大手マスコミの発言としては明らかに不適切です。
なぜならば、この専門家が「それは宗教にもよりますね」と仰っているように、真っ当な宗教団体による伝道は正当な宗教行為であり何ら違法ではないからです。
むしろ、霊的な見地では、真っ当な宗教団体による伝道は、大きな愛の行為であり利他行に他なりません。
宗教にはそれぞれ違いがあり教えの内容にも高低があります。
そして、それが正当なものか、そうでないかは、その教団の教えの内容で判断すべきものです。
今回、2つの事例を通して、マスコミの発信と、受け手の私たちの判断には、正しい世論をつくっていくという大きな責任があることを、より一層自覚すべきだと思いました。