今でこそ高い支持率のウクライナのゼレンスキー政権ですが、ロシアとの武力衝突が起こる前は、支持率は低迷していました。
その理由は、選挙で公約した汚職の撲滅や国民の生活水準向上がうまく行かなかった上に、ロシアとの関係改善もほど遠かったからです。
中でも汚職は深刻な問題で、ウクライナと言えば「汚職大国」とのイメージがあるほどでした。
この汚職の問題は、ウクライナ軍も例外ではなく、武器や物資の横流しが横行していたとされます。
戦闘の行方は予断を許しませんが、どのような形で戦闘が終結するにせよ戦闘が終結した後、ウクライナ軍の体質が変わるとの保証はどこにもありません。
現在、欧米諸国は歩兵携行式の兵器を中心にウクライナへ大量供与していますが、そうした兵器が戦時下の現地で適切に管理されているとはいえません。
実際、米国政府も供与後の兵器の状態は確認できないことを認めています。
つまり、今回の戦闘で一躍有名になった対戦車ミサイル「ジャベリン」や対空ミサイル「スティンガー」などが、テロ組織に渡る懸念が払しょくできていないのです。
こうした兵器は、適切な保管をしないと長期にわたって使用可能な状態を維持するのは難しいとはいえ、小型で扱いが容易という特徴があり、まさにテロ組織にとってうってつけの武器です。
バイデン大統領は、プーチン大統領が困ることならば何でもするという姿勢に徹しているように見えるため、戦闘終結後のことまでを踏まえた思慮に欠ける印象があります。
ですから、このまま無分別に武器供与を実施することのリスクを考慮すべきではないでしょうか。
さもなければ、戦闘が長期化し、世界戦争という未来が人類を待ち受けているかもしれません。