毎年、憲法記念日を前に、憲法に関する世論調査が行われます。
今年は、ウクライナ問題を受けて、特に9条についての議論が活発になっています。
そうした中、ある大手マスコミの世論調査に違和感を覚えました。
そのマスコミの世論調査では、「日本は戦後、海外で武力行使をしていません。武力行使をしなかったのは9条の存在があったからこそだと思いますか。」との設問がありました。
その回答は、「9条の存在があったから」が76%、「他の要因があったから」が21%でした。
この調査結果自体は、ある意味予想通りで驚きはないのですが、違和感を覚えたのは設問の仕方です。
過去の調査では、「戦後、日本が戦争をしなかったのはなぜか」などと、海外での武力行使に限定せずに問うて、「9条があったから」と答えさせるものが多かったように思いますが、今回は海外での武力行使に限定しています。
これは、質問をする側が、明らかに9条の国防上の限界を認識しており、海外での武力行使に限定することで、あたかも9条が機能しているように印象付ける狙いが見て取れます。
戦争には相手がいます。
日本が他国を攻撃する場合、9条は日本の行動を制約することになりますが、相手が日本を攻撃する場合、日本国内に9条があるからと言って、相手の行動を制約することにはならないのです。
この単純な事実に、日本以外の国は気づいているからこそ、9条の内容を採用する国が無いのではないでしょうか。
ですから、こうした護憲マスコミによるレトリックには気を付けなければなりません。
いずれにせよ、中国や北朝鮮による脅威が高まっているうえに、現政権は盲目的に反ロシア政策を推し進め敵対関係を作りつつある中では、交戦権を否定した9条を抜本的に改正して、自衛隊を国家と国民を守るために戦うことができる国防軍に改めることが急務であると考えます。