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2022/03/27【プーチン大統領が言うウクライナの“ネオナチ”とは】

 プーチン大統領は、ウクライナ侵攻の理由の一つに、ウクライナのネオナチや民族主義者の横暴から、ウクライナ東部のロシア系住民を守ることをあげています。
 

 日本に住む私たちからすれば、ウクライナにネオナチや民族主義者がいて横暴を働いているなどという報道は目にしないので、「プーチン氏が侵攻のための言い掛かりをつけているだけ」と考えている人が多いのではないでしょうか。
 

 しかし、ウクライナでは、ロシアによるクリミア併合の以前から、東部地域を中心に民兵組織など中央政府の統制が十分に効かない武装集団が跋扈していたのは事実です。
 

 特に「アゾフ大隊」という組織は有名で、現在はウクライナ軍に組み入れられ、激戦が続くマウリポリで防衛のための重要な任務に就いていますが、その昔は、白人至上主義やネオナチとの関係が指摘され、非合法な活動もしていました。

 現在ではウクライナ政府の組織からは、ネオナチや民族主義者は排除されているとされますが、2016年には国連人権高等弁務官事務所がアゾフ大隊の人権侵害の疑いを報告しています。
 

 このようにウクライナ側にも長年、人権侵害の疑いがあることは事実です。

 だからと言って、ロシアによる今回の侵攻の全てを正当化する理由にならないと思いますが、ロシア側の主張の全てが虚偽という訳ではなさそうです。
 

 日本の報道に見られる、「ウクライナ=全て善、ロシア=全て悪」というステレオタイプに対しては、冷静な目で真偽を判断しなければならないことが分かります。