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2022/03/24【中国の軍拡に協力した意外な国】

 近年、中国の軍備拡大の勢いは著しいのですが、そこに少なからず加勢した意外な国があります。

 それはウクライナです。

 中国は空母「遼寧」の配備によって世界屈指の海軍に仲間入りしたと自負しましたが、その遼寧のもとになった旧ソ連海軍が建造していた空母を中国に売却したのはウクライナです。

 同時に、中国はその遼寧に搭載する艦上戦闘機を、同じく旧ソ連製の機体をベースに開発していましたが、技術流出などを恐れるロシアが協力に消極的だったため、中国はやはりウクライナから旧ソ連製の艦上戦闘機を購入し参考としました。

 その結果、「J-15」という艦上戦闘機が完成しましたが、中国は独自技術と主張しているものの、旧ソ連製の「Su-27(Su-33)」系列の機体であることは一目瞭然です。

 今や中国は、いわゆる「正規空母」を2隻就役させ、3隻目を建造中であり、更に少なくとも、もう1隻を計画しているとされ、名目上は米海軍に次ぐ規模の空母機動部隊を有するまでになり、周辺国への威圧を強めています。

 そこには、ウクライナという存在を抜きに語ることのできない背景があったのは事実です。

 他にも、例えば今後中国軍の主力となる大型輸送機「Y-20」の次期エンジン開発にウクライナが協力しているとされます。

 ウクライナの中国との軍事協力は、ゼレンスキー政権下で始まったわけではありませんし、決して豊かではないウクライナの経済事情も酌むべきかもしれません。

 しかし、中国との軍事協力が世界の平和にどう影響を及ぼすか、といった視点がウクライナ政府に欠けていた感は否定できないのではないでしょうか。