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2022/03/07【“戦闘に巻き込まれたら危ないので日本の原発はいらない”と言うのであれば】

 ウクライナのヨーロッパ最大級の原発で戦闘があり、ウクライナだけでなく世界中を危険にさらす行為だとして、ロシアが批判されています。

 これを受けて、日本では原発反対派を中心に、原発の運転停止と廃炉を求める声が上がっています。

 中には、原発が核爆発を起こす可能性を持っているかのような懸念も見受けられましたが、原発は構造上、原爆のような核爆発は起こりえないので、明らかな杞憂です。

 そもそも、「日本でも戦闘に巻き込まれたら危険なので原発はいらない」という考え方は、途中の議論がすっぽりと抜け落ちている感があります。

 誰から攻撃を受けるのか、どのような手段で攻撃を受けるのか、などをしっかりと検討した上で、攻撃に対する原発の安全性を議論すべきではないでしょうか。

 その場合、想定される状況で、原発だけが攻撃対象になるはずはないので、広範で重層な議論が必要となるのは言うまでもありません。

 先般、原発が火山の大規模噴火に巻き込まれたら危険なので運転を停止すべきとの争点で裁判がありました。

 大規模噴火による他の社会生活への影響を議論することなく、原発だけを危険視する考え方には、大きな違和感がありましたが、今回も同様の感があります。

 ですから、日本の原発が攻撃を受けるというのであれば、まずは日本の国防全体について、真剣に考える必要がります。

 その上で、エネルギー安全保障と共に原発について論じるべきではないでしょうか。